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迷い 2
古田は、少し考え込んでいる様だった。
「そうだな…
うちに来てすぐにプロジェクトを立ち上げるくらいだから、かなりのやり手だろうな」
ワインを飲みながら古田は言った
『古田さんが仕事の話するなんて珍しいね
何かあったの?』
古田はプライベートに仕事は持ち込まない主義
だから、二人で居る時に仕事の話をする事はないのだ
「嫌、何もないよ
何となく聞いてみたんだ」
最近の古田は何だか様子がおかしい…
今日の話といい、会社でやたらとアキを見つめる視線といい。
これはアキの気のせいだろうか…
ただの考え過ぎなのだろうか…
そんな事を思いながら、アキは食事をしていた。