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空白の三年 4
アキはフラフラと歩いて行った
『来なければ良かった…
今更、知りたくなかったよ…』
アキは泣きながら歩いていた
求め続けた一志…
会いたくてたまらなかった一志…
待ち続けた一志…
でも、会うのが怖い…
この三年、忘れた事なんてなかった…
忘れるために、一志との思い出の部屋を引っ越した…
一志の写真、一志からのプレゼント、お揃いの茶碗にカップ
忘れるために全て捨てた…
でも、アキの中にはいつも一志が居た…
そして、いつもアキを苦しめた…
あの温もりが…
忘れられなくて…