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空白の三年 3
アキは笑い始めた
『はっ、はっ、はっ。
私のために嘘をついて姿を消した…
笑わせないでよ
自分一人で抱えて、全部一人で勝手に決めて
私は一志の何だったの?
二年一緒に暮らしてたのに、私は一志のそんな様子に全く気づかなかった…
最低だよね。私…』
アキはそう言って、店を出て行った
「アキちゃん!
一志に連絡してやってくれ
一志は今でも、アキちゃんの事を想ってるから」
大将がアキにそう叫んだ
アキは立ち止まったが、振り向かなかった
『大将…
私達は三年前に終わったの…
あの時に全部終わったの』
アキはそう言い残し、店を後にした