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素顔 21
アキは夜の街を、フラフラ歩いていた
『今日の歓迎会は、心臓に悪すぎるよ…
全然、楽しくなかった』
と独り言をブツブツと…
一時間ほど街を歩いて、アキが着いた場所は…
三年ぶりに訪れた場所
アキは店の前に立ち、思い出していた…
『懐かしい…
一志と良く来たんだよね…』
アキの頭の中には、一志からのメールが写し出されていた…
『一志…
ずっとここに来れなかったんだ…
ここは一志が連れて来てくれた場所だから…』
店はあの頃と変わっていない…
静かなたたずまいのまま…
変わらずにこの場所にあった…