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素顔 20
ゆいは膨れっ面をしていた
「星川さん、高梨さん
行きますよ」
『私は行けないから、ゆいをお願い、ゆい、行っておいで』
ゆいはうなづき
「分かった…、行って来るね」
そう言うと、女子社員に引っ張られて行った
「アキー!行って来るねぇー!」
ゆいは叫びながら行ってしまった…
アキは手を振って皆を見送った
「アキ、もう少し呑まないか」
それは古田だった
『古田さんはカラオケ行かないんですか?』
「俺は苦手なんだ、歌は」
『そうなんですか…
ごめんなさい、疲れちゃったので帰ります』
アキは軽く会釈をして、夜の街に消えて行った…
「アキ…」