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素顔 10
慌てている課長の姿に、アキとゆいは笑っていた
「課長って可愛いよね」
『えぇ…、可愛いって…』
と言った矢先に、課長がデスクに足をぶつけて痛がっていた
『可愛い… かもね』
「あっ、お待たせしました…
それじゃ、行きましょうか」
息を弾ませながら話す課長は、少年の様だった
三人は会社を出て、タクシーを拾い、お店に向かった
今日の課長はいい事があったのだろうか…
タクシーの中でやたらと話をしていた
仕事をしている時は厳しい顔の課長だが、会社を一歩出ると、全く別人に思える…
このギャップが女にモテる秘訣なのかも…
とアキは思いながら、話を聞いて笑っていた