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天まで届く羽―大きな異変―

いやぁ、携帯親にパクられた。


まじ不便。


これからも更新は遅いです。


誤字脱字ありましたら、教えてください。

001


5月23日月曜日


昨日は雨だったので姉貴と久しぶりに出かけた。


いやぁ、楽しかった。


…そして可愛かった。


もう家族じゃなかったら、付き合いたいくらいだよ。


まぁ昨日は昨日。


今日はもう始まってるんだし、昨日を振り返っても仕方ない…。


そんな事を考えながら、学校に到着。


何だか学校がいつもより静かな様に感じる。


教室に入ると――そこには異様な光景が広がっていた。




「ここは女子校か?」


僕は学校に着くのが決して早いわけではない。


故にいつもなら教室に着いた時には、既に大半の生徒が教室にいる。


しかし僕の視界に広がるのはいつものそれとは異なっていた。



教室にいる男子は僕を含めて、三人だけだった。


一番近くにいた鬼塚君に話を聞いてみる。


「鬼塚君、他の男子はどうしたの?」


「……梛川か。どうやらみんな体調を崩したらしい」


一昨日のいろはさんの話が脳裏に蘇る。


「いや、それにしても少なすぎじゃない?」


「…そうだな」


もう1人の男子生徒は静かに本をよんでいた。


あの子に話を聞いても何も分からなさそうだな……。


その時――放送用のスピーカーが鳴った。


「二年B組の梛川君。至急、生徒会室に来てください」


……いろはさん、か。


まぁ、目の前の光景を見れば……。


「…梛川、呼ばれてるぞ?」


「うん、わかった。行ってくるよ。先生に何か聞かれたら答えといてくれる?」


「…わかった。任せろ」

鬼塚君に任せて、生徒会室へ向かう。


「…何で朝からあいつに会わなきゃなんないんだよ」


全くもって憂鬱だ…。


姉貴もいないし、そんな時に単身で生徒会室に行くのは、心底嫌だな。


まぁ、愚痴ってもしょうがない。


行きますか。


002


生徒会室は二階のはじっこ。人通りが少ないため、ここに生徒会室があるのを知らない人もいる。


そして――そのドアの前に立つ。


「毎回思うけど、このドアどうにかならないのか?」


生徒会室のドアは変わっている。


具体例をあげるなら、社長室?的な、豪華な仕様になっている。


――コンコン


「失礼します、梛川神音です」


奥のやはり豪華な仕様の椅子に座っているのは――奴だった。


「ようこそぉ、しおんちゃん」


「何の用ですか?『生徒会長』」


「『生徒会長』はやめてって毎回いってるじゃん」


『いろは』って呼んで、と微笑む。


…友好的過ぎて気持ち悪い。


殺しかけといて良く言えたもんだ。


「で?いろはさん、何か用ですか?」


「用がなきゃ呼んじゃ駄目なの?」


「帰らせてもらいます」


「ジョーダンだよぉ、怒らないで?」


本当にウザいなぁ。


「実はね、大変な事になってるんだ」


「大変なこと?」


「欠席者が――150人を越えたんだ」


「!?!?」


「もちろん、全員男子」


「……原因は分かりましたか?」


「うん……まぁ予測はついたよ。やっぱり――『怪異』だったよ」


やっぱり……明らかに非日常だもんな。


そういえば、生活委員の挨拶運動の人数が異様に少なかったな。


「…で、『怪異』の名前は?」


「『夢呼び雀』(ゆめよびすずめ)っていうらしいよ」


――こんな昔話があった


昔、とある王子がいた。


王子には遠方に恋する姫がいた。


ある日、王子が姫に想いを告げるために文を書いた。


それを家臣に渡し、寝入った。


その夜、王子の部屋の窓際に姫が現れた。

王子はそれに気付き、姫にちかづいた。


しかし、姫は霧の様に消えてしまった。


王子は悲しんだが、その時にどこからか声が聞こえてきた。


「明日また来ます」と


王子は次の日の夜を待ち望んだ。


そして、次の日の夜。


王子がまどろんでいた時、姫は枕元に現れた。


しかし、姫はこう言った。


「あと1日、待ってください」


王子は喉にご飯が通らないほど、夜を待ち望んだ。


そして夜になった。


姫は王子の隣に急に現れた。



「私は、あなたと一つになりましょう。あなたは私に『愛』をください」


そして王子と姫は一つになった。


次の日の朝、家臣は姫からの返事の文を持ち、意気揚々と王子の部屋に向かった。


しかしそこには、やつれはて呼吸を止めた王子の姿があった…。


王子と姫が一つになったのは夢の中だけであった。


その時、窓の外には怪しげな目をした一羽の雀がいた……。



「――っていうのが『夢呼び雀』の怪異襌だよ。要は、王子は幻の姫に精魂吸われて死んじゃった、っていう話だよ」


「で…今回休んでる生徒は、怪異に精魂吸われて動けなくなってると…」


くだらない理由でやられたな、澤田君は。


まぁ、人によってはくだらなくないのか。


「そうなるね」


「で『夢呼び雀』の出現条件と退治方法は?」


「それは分からないなぁ」


…ちっ、使えない奴だ。


「今、失礼な事考えたでしょ?」


ばれたか…。


「いえいえ、何を被害妄想をしてるんですか。失礼にも程がありますよ」


盛大に嘘をついてしまった。



「これでも昨日1日で良く調べた方なのになぁ…。ひどいや、しおんちゃん」


そんなもん知るか。


「……一応礼は言いますよ。ありがとうございました」


「一応は余計だなぁ」


いちいちうるさいなぁ。



「それでは失礼します」


僕はこれ以上イライラしたくないので、早々に退散した。


003


既に一時間目は始まっていた。

教室に戻っても、朝来てた三人しか男子は居なかった。


「梛川、生徒会室に行っていたんだろ。速く席に着け」


科目は歴史、担当は温厚で有名な早河はやかわ先生。


「はい、わかりました」


ふと思ったが、あいつは授業に出ていないのだろうか。


生徒会室を出るとき、パソコン(持ち込んだやつ?)をいじっていたし。


生徒会長には、授業に出なくても良い権利でもあるのだろうか?


「…まぁ、どうでもいいか」


別に、あいつの事を心配した訳じゃないんだからね!


……ツンデレは向いていないと悟った今日、この日。


004



学校が終わり、帰宅中。

今日は男子が少ないせいか、たくさんの女子とおしゃべりできた。


不幸中の幸い?というやつだろうか。


先生からは、もしかしたら明日から学校閉鎖になるかも知れないと通告された。


学校閉鎖になれば、姉貴と一日中一緒に遊べる。


……ならねぇかなぁ。



なんて想像してる間に我が家に到着。



《早送り》



真夜中


僕は微かな気配を感じ、目を覚ました。


ベッドから起き上がる。


周りを見渡せば、窓辺には――


絶世の美女がいた。


――もとい姉貴がいた。


「……何やってんの?姉貴」


姉貴は何も語らず、ただ静かに僕を見つめていた。


「……?」


そこで僕は気づく。


……何か小さな、細かな、微細な。


しかし消すことは出来ない、確かな――『違和感』



「……あなた、誰です?」


「………明日また来ます」


――会話が成り立ってない気がする。


その時――バタンッ!


「なんか変な気配がすると思ったら、しおん!」


「姉貴……」


変な奴がいきなり現れたんだ。と言おうとしたら…。


「女の子連れ込むなら、私や母さん達が居ない時にしなさいっ!」


……はぁ?


「いや、姉貴…。こいついきなり現れたんだよ。多分、怪異かなんかだ。少なくとも一般人ではない」


「……はっ!本当だ!私そっくりの姿だし、怪異っぽい気配が!」


「…頼むよ姉貴。」


すると偽姉貴は窓に手をかけ、家から飛び出して行った。


「……アレがあいつが言ってた怪異か。姉貴追っかけて」


時計を見ると、午前1時50分。


「あと少しで『時間』だから。すぐ行く」


「分かった」

――もうすぐ、僕が僕じゃなくなる。


次回


明かされる、神音の特別能力。


さらに犯人特定!?


次回もお楽しみに(してるかなぁ)


感想待ってます。

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