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第11話 森の奥地の新拠点では遠慮はいらない



「ご主人さまと……遠慮なく声を出してまぐわうのはやはりいいのじゃ……」

「まあ、こっちだと確かに遠慮はいらないけど……少しだけ回数は減らそうか……」

「嫌なのじゃ。いっぱいするのじゃ」


 ボクとミカゲがそんな会話をできるのも、こっちだと人目がないからだ。魔物目はいっぱいだけど……。


 ボーダントの町を出て森に入り、奥地へ3日ほどかけて進む。ジャイアントビーで空を飛んでもいいけどちょっと怖い。

 急ぎたいならキンタに走らせれば1日もかからない。


 そうするとボクの拠点にたどり着く。


 山脈の麓にあるボクの拠点となってる動物王国では、ホーンラビットが溢れてる。


 ……やっぱり間引かないとダメか。ナタリー王国からごっそりと連れてきたからめちゃくちゃ多いんだ、ホーンラビットは。


 そして、そのホーンラビットを狙ってくる色々な魔物から、ブラッドベアーを中心とする部隊がホーンラビットを守ってる。


 もちろん、ただ守るだけじゃなくて、積極的に周辺のゴブリンやオークの集落を潰す活動もしてる。


 ボクのテイムした魔物たちがいる安全地帯を作りたい。

 そういう発想で成り立ってる。


「ブラッドベアーは格段に強くなっとるのじゃ」

「やっぱりテイムした時よりもレベルアップしてるんだろうな」

「ご主人さまも強くなっとるのじゃ……あっちの方も」

「それは言わないで」

「だから回数を減らさなくてもよいのじゃ」


 ボクの場合、ハンパない魔力量のお陰で大量の魔物をテイムしてて、それがいっぱいオークなんかを倒してるから……。


 たぶん、常識的なレベルアップよりも早くボクは強くなってるんだと思う。


 最弱のはずの『魔物使い』なのに、ボクは既に単独戦闘でオークを倒せるようになってる。

 冒険者ギルドで集めた情報だと、オークを倒せる冒険者は実力的にはCランクになるらしい。上から3番目のランクだ。


 ボクのレベルは表示されないから分からない。でも、まさにオークの動きが止まって見えるって感じで、オークが相手なら余裕をもって戦えるという。


「……まあ、ここに集まったオークの豚鼻の数を考えたらそうなるか」

「軽く500くらいはあるのじゃ……」

「ここの子たちが自分たちで食べる分も必要だからしょうがないけど……オークが絶滅しないように気をつけた方がいいかも」


 やっぱりホーンラビットと同じように……オーク牧場もやった方がいいのか?

 でも、2足歩行のオークを牧場で飼うっていうのは個人的にはバリバリ違和感があるんだよ。


 でも、仕方ないのか。


 ここにやってくるまでの3日間で、ある程度のゴブリンとオークをテイムしてきてる。

 だから結局はオーク牧場にもなってしまうんだろうと思う。


 あと、予想通りゴブリンは器用だった。

 賢くはないけど、指示された作業は丁寧にできる。

 グリーンウルフのブラッシングと抜け毛の回収も、オークの解体とフクロフクロウでの保存もばっちりだ。


 しかも、動物王国に建物を作ることもできる。掘っ立て小屋みたいなヤツだけど。


 これはオークも協力してる。オークはゴブリンほど細かい作業は得意じゃないけど、力仕事はゴブリンよりもできるから。


 ブラッドベアーだと建物を建てるって発想自体がなかったからな。


 軍団のローテーションを決めて、グリーンウルフは交代でブラッシングを受けられるように調整しといた。

 もうちょっとゴブリンの数を増やしたいけど、自分たちで繁殖するみたいだからある程度はほっとこう。

 増えすぎたら、隣のナタリー王国にゴブリンだけは送り込めばいい。


「ご主人さまが強くなるとテイムする魔物が増えて……ご主人さまはさらに強くなるという循環があるのじゃ。流石はご主人さまなのじゃ」

「本当にそれな。まさか片手でリンゴをぐしゃっと握り潰せるようになるとは思ってなかった。もはや超人のような気がする……」


 リンゴとか、そういう果物はロングテールモンキーが集めてくる。

 最近は、森で死んだ人間の財産というか、遺品というか……そういうものも回収してくる。

 ナタリー王国の王都でいろいろと盗んだから、そういうものを持ち帰るとボクが喜ぶと思ってるんじゃないだろうか。


 確かに、こういうのは換金すると金貨とか銀貨、銅貨になるから助かる。

 でも、こっちで拾った遺品は……うかつに換金できないからな。そこは気をつけたいところだ。


 商売も始まるし、そこがうまくいけば資金は問題なくなるはずだけど、今はまだ不透明な部分でもある。


 とりあえずハチミツでまずは稼ごうと考えてる。


「……ホーンラビットとオークの肉をどこかに卸せるか、カイラッドさんに相談してみるのも手か」

「あの屋敷じゃと声が出せないのじゃ……」

「声を我慢するミカゲもカワイイけどな」

「ご、ご主人しゃま、しょ、しょしょ、しょうゆうことを不意打ちでゆうたらダメなのじゃ……」


 こんな感じで照れてるミカゲはめちゃくちゃカワイイと断言しとく。


「あとは……他にも何か商売につながりそうな魔物をテイムしときたいところだよな。そのための軍団の再編成と……奥地の探索か。その代わり森の浅いところから、1日くらいの深さまではあんまり手出しさせないようにしとくか。こっちの町に変な影響を与えないように」


 毒持ちの蜘蛛系魔物なんかはテイム済みで、いざという時には使うつもりだ。


「あの国の王都はどうなったんじゃろうかのう」

「結果は求めてなかったから、面白いことになってたらそれでいいよ。さて、いっぱいかわいがるからな、ミカゲ」

「はいなのじゃ……」


 強くなってきたことでベッドでも負けっぱなしってこともないから、いっぱい声を出せるここでたくさん叫ばせたいところ……。

 ただ、最近のミカゲはますますかわいく感じるから、心の奥にグっと刺さるような何かがくるんだよな……。


 そうしてボクはテントの中にミカゲを優しく引っ張り込むのだった。






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