メンバー紹介-1
こうして、幾分不本意ながら代魔会へ参加することが決まった。クリスティーヌンの強引な説得を私が了承したのは、お互いの目的が合致したからに他ならない。現時点の最有力候補に会う機会をみすみす逃すのも勿体ない。
「それで、今日はどこに連れてってくれるの?」
「生徒会室ですわ。」
クリスティーヌンに連れられ校舎の最上階の廊下を歩く。窓から指す西日がまぶしい。今日は他のメンバーとの顔合わせを兼ねて、二人を紹介してくれることになっているのだ。
「でも、なんで生徒会室なの?」
「それは私が生徒会役員だからですわ。」
全然知らなかった。こんなキャラ濃いやつ、生徒会に居たか?
「相変わらずいささか失礼ですわね。普段は生徒会のときは髪を纏めて眼鏡をかけてますの。」
「言われてみればいたなあ。確か…」
「…書記ですわ。」
書記…書記かあ。保険委員とかだったら、クスリティーヌンとか言って弄れたのに。あ、でもこのスタイルで保険委員は刺激が強すぎるか。
「また人の名前で遊んでますわね。」
「印象的なな名前だからね。でも、呼ぶのにはちょっと長いよね。」
「…だったら、略すなり愛称で呼ぶなりすればいいでしょう。これから共に戦っていく仲間なんですもの。」
「わかった、リスティ。」
「どこを抽出してるんですの!それにちょっと可愛い響きなのがムカつきますわ!」
「ティーヌとどっちがいい?」
「私が選ぶんですの?!それ!とても恥ずかしいやつじゃないですの!」
「そう怒らないで。可愛い顔が台無しだよ、リスティ。でもリスティって結構感情表現豊かだよね。」
「あー!もう!ツッコみどころが多すぎる!結局呼び方決めてるじゃないですの!あと、私がこんなになったのは茅水封理のせいだー!」
そんな褒められても何も出ない。しかし、面白いやつだな。リスティ。
「…茅水封理。あなたって不思議ですわね。」
「私が?なんで?」
「初めて会ったときもそうでしたけど、なんていうか掴みどころがないっていうか…。そのくせ、悪い人じゃないのがわかるっていうか…。とにかく不思議ですわ。人を惹きつける力、みたいなものを感じます。」
…私が?復讐を心に決め、利用できるものはなんでも利用しようとしている私が?現に今、勇者候補への最短ルートのためにリスティを利用しようとしているのに。
「人を惹きつける魅力はあるのに、結局他のメンバーは集まりませんでしたわね。さ、着きましたわよ。」
最上階の最奥の教室。それが生徒会室である。リスティはその扉を勢いよく引き開けた。




