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ホーネット  作者: 心一
3/3

面会



視線を掻き分けて廊下を進む。


くだらない。


ものすごくくだらない。



内心ため息をついて、さっさと教室へ入ろうと歩を早めた。






そして、ドアを開けて後悔した。






女だ。





俺の隣の席に女が座っている。


ついにきたんだ。






「(………気にすることもないよな……)」





だからといって取り乱す事はなかった。所詮他人は他人。俺を見て泣こうが喚こうが知ったことはない。

俺はそのまま足を進めた。

生憎女は俺に気づいていない。

馬鹿だ。






バン!!






俺はそのまま鞄を投げ捨てるように机に置いた。

すると反射的に女がこちらを振り向いた。











何故か、お互い見つめ合った。







よくわからない。

女は泣きもしないし喚きもしなかった。

しかし驚いてはいるのだろう、目を見開いて俺をみていた。

いや、これから泣くかもしれない。

俺はというと、正直俺を見て泣かなかった事に意外だと思った。

とにかく、まるで時が止まったかのように見つめ合っていた。







「……………ぁ、」



「みずき、一時間目移動だよ!ほら、早く行こう、ほら!!」


「あ…う、うん」






女が何か言おうとした。

だがそれは、他の女たちによって遮断された。

ちらちらとこっちを見てはそそくさとこの場を去る女たち。

多分奴らはここにいた女を救ったような気でいるのか。






「……………」



もちろんどうでもいい。








俺は乱暴に席に座った。

妙に腹立たしい。



窓の外をみた。

やっぱり鳥になりたい。

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