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二十一話

 ナナシに東西分断と中央の爆破で時間稼ぎする作戦を伝えて。今悩んでるのはゴドーの倒し方と北の壁門をどうすれば破壊できるのか?などの問題点を地図を見せて説明していく。


「よく…ここまで考えたな…」

「でも砦の内部とか各要所の構造までは一般開放されてないから分からないことだらけなんだけどね」

「…内部の地図は時間をくれればオレがやれる…ただ北の壁門はどうやって破壊するんだ?」

「今回ばかりは僕の協力者が少ないからね…」

「むしろ前回が異常だった…」


 ごもっともな意見だ。

 ただ実際に行動を起こせば今回も異常な光景をナナシは見ることになるだろう。内部の構造さえわかれば迅速に万魔の力で制圧して東西が一気に味方になるのだから。


「フィン殿…正直あまり教えたくはないが爆薬を作るのはどうだろうか…?」

「ん?今一応魔道具で爆弾は作ってるけど」

「建築的に一部を壊せば連鎖して壊せる箇所が…探せばあると思う…そこに火薬を詰めて爆発させれば可能性はある…調べるまでは分からんが」


 そういうことに詳しいのであれば是非お願いしたい。しかし魔道具以上の爆弾をナナシが作れるのだろうか。


「それって簡単に作れるの?」

「材料…それさえあれば魔道具とやらを一個一個改造するよりは早く揃えれる…」

「初心者でも作れるなら手伝うけど…あまり教えたくないってことなら材料だけ買い足してくるよ?」

「オレだけだと数が足りない…」


 どんなものを作るのかは分からないが、効率が良くなるならそれがいいだろう。

 それに魔道具は毎日買いに行っても少数しか揃えれないし僕も中央広場を爆破するのだけでもわりと切羽詰まってる状況だ。改造する時間はあっても改造する品が少ない。


「それじゃあ明日は僕が買い出しをしてナナシさんはどうする?疲れてるなら宿で泊ってていいけど」

「…作戦決行日は決まってるのか…?」

「3カ月…いや2カ月以内かな?理想自体を言えば1カ月以内だけど作戦の見直しを考えたら2カ月が良いと思う。ここはそれくらい広いからね」

「なら…すまないが休ませてくれ…落ち着ける場所がどこにもなかった…」

「うん。ベッド使っていいよ。僕は一応無いよりはマシだから魔道具の改造をしておくよ」


 そう言って立ち位置は代わり、ベッドで布に包まるナナシを見て珍しいというか。

 初めてナナシがまともに休息してる姿を見た気がする。


 一応魔道具の魔力を追加しておいて部屋を温めるようにして。残った魔道具の改造を施していく。


 僕が作業してる間にナナシが起きることはなく。外が薄ら明るくなって朝になったのだと思い雪の具合だけ確認して大分雪が降ってきているのを確認して。ナナシが寒くならないように僕の予備の服を上からかけておいた。


 予定外のことは起きたが現状に不満はない。あとはゴドーの抹殺方法だけに集中できるのだからむしろナナシの爆弾にも感謝できる。


 リビリアの言葉を思い出し、魔法障壁さえどうにかすればゴドーに僕の万魔は通じる可能性もあるからいっそのこと魔力そのものを消耗させていく作戦もありだ。


 毒。要塞の守備。消耗戦。色々考えるが毎回同じことの繰り返しだというように考えがまとまらない状態でそろそろ店が開く時間になると思ってナナシの肩を少し揺らして起こす。


「フィン殿…」

「ごめんね。買うのに必要な物を教えてほしいと思って」

「そうだった…」


 そう言って僕がメモしようとしたがナナシが手を伸ばしてきたので渡すと僕が書くよりも早く文字を書いて渡してきた。


「すまない…もう少し休ませてもらいたい…」

「うん。食事も買ってくるから夕方ごろには帰ってくるからね」


 時間帯を伝えたらよほど疲れていたのか。すぐに寝息のようなものを立てる。

 ナナシの場合寝たふりなのかどうかすら分からないから困るが多分本当に疲れて寝てるだけだろう。


 紙を見るとよく分からない鉱石の名前があって少し困った。

 これはどの店に行けば手に入るのだろうか…。


 僕は外に出た後、とりあえず入手困難な木炭から買おうと思ったけど、どれくらいの量が必要なのか具体的なことが書いてないと思いまた途方に暮れてしまう。


 一応広場の方を先に見るがまだ誰も集まってないので聞ける相手もいないから大人しく店巡りかなと色んな店を渡り歩いた。


 その結果…木炭はわりと売ってあるところがあったのだが数をそろえれば意外と値段がしてナナシの食費を考えたら手持ちでは若干足りないかもしれないという不安になった。

 鉱物に関しては安売りされてあるのを見てリュックに背負えるだけ買っておいたのだけど、両手いっぱいに木炭を持ってリュックもぎゅうぎゅうに詰まって歩いていると警備兵の魔族に大丈夫か何回か声をかけられたのは焦った。


 一度宿まで着いたのは夕方というよりは昼過ぎくらいだ。

 静かにドアを開けて荷物を置いた後。外に出てからナナシの食事を買いださないといけない。

 ついでに僕の分もそろそろ食事を摂っておいた方がよいだろうし…ただここまでお金を使うと思ってなかったためどこか働ける場所とかがほしいかもしれない。

 今回の買い物で足りないならまだ材料を買わなければいけないし。


 それと多分子供たちが僕を待ってるかもしれないと思って広場の方をまた覗けばすでに集まっていた。

 昨日教えた魔法の練習をしてる様子をみて少し微笑ましい。


 近づけばヴェルが真っ先に気づいて僕に手を振る。それに手を振り返してヴェルが笑顔で魔法を見せてくる。


「これみてよフィ姉ちゃん!まだ暖かくないけど少しずつ上手くなってんだ!」


 試しに触ってみればぬるい球体が出来てる。

 レイモンドの方をみれば悔しそうな顔をしているから他のみんなはまだ出来てないんだろう。


「うん。頑張ってるね。人にコツとか教えるとその分上達すると聞いたことがあるから他のみんなにもヴェルが分かる感覚で教えていってほしいな」

「えー…俺が真っ先に成功させたい…」

「その代わりにみんなもヴェルと一緒に情報共有すればお互いに上手くなっていくでしょ?」


 あまりこの中で仲違いはしてほしくないからの提案だったのだが競争でもしてたのかもしれないな。


「お姉ちゃん今日は何も持ってないの?」

「ん?あぁ…ちょっとお金が無くなってきてね。働けるところとか探そうかなって思って」

「え?じゃあもう来なくなっちゃうの?」


 そう言われたらある意味ここに来る頻度は減るかもしれないな。


「先生なら魔法で稼げるんじゃないですか?」

「魔法で?」

「みんなあまり高くて利用しないですけど魔力を魔道具に通してくれるだけでも稼げると思いますよ」

「うーん…?いくらくらいでやってるのかなその人たちは」

「8枚くらいでやってると思います」


 レイモンドの言い分が正しいなら高額だな。たかだか魔力を補給するだけなのになんでそんなに高いんだ。


「4枚で働いてみようかな?」

「え!あ…」


 それに反応したのがジョルジュだったから少し驚いた。何か問題があっただろうか。


「もしかして安く働いたらだめなのかな?」

「えと…そうじゃなくて、フィ先生のそれって家の中全部の魔道具に魔力を通してくれるん…ですか?」

「別にそれくらいならいいと思ったけど。でもさすがに量が多すぎると時間がかかるのは困るかな?」


 そもそも魔道具なんて今だと暖房くらいなものだと思うけど…他で言えばお風呂とかだろうか?

 でもやはりそれなら浄化の魔法を使える大人がいれば問題ないだろうし、もしくは僕の常識がまたずれている可能性はある。


「ジョルジュの家って魔道具多いから業者に頼むこと多いからな」


 ヴェルが説明してくれるが、そんなに多いのか?


「ジョルジュはその業者さんにいくら払ってるの?」

「わかんないけど、数が多いから結構払ってると思う…」

「それじゃ僕が行こうか」

「本当にいいの?先生」


 別に構いはしないというか、むしろ店の受付とか食事処で働くつもりだったから時間が空く仕事があるならそれに越したことはない。


「あ、でも僕がいなくなったらまた業者に頼むことになると思うから一時的なものと思ってね?」

「先生どこか行くんですか!?」

「元々旅の途中で立ち寄ったからね。でもレイモンドが不安がることはないよまだ残る予定だから」

「そうですか…」


 やはり魔法を教える魔族が少ないのだろう。不思議なものだ。

 そもそも本とか売ってないのかな?魔力を補給するのを頼むくらいならいいっそ独学で学んだ方が節約につながると思うんだけど。


「えと、それじゃあジョルジュの家はもう魔道具は魔力切れ起こりそうなのかな?」

「まだ足りると思うけど、先生が来てくれるなら来てほしいかな…」


 言葉が後に続くにつれて小さくなったのはみんなに申し訳なさを感じてだろうか。

 一応フォローしつつそのまま稼がせてもらおう。


「元々みんなに働きに行くことを伝えに来たからこのままジョルジュの家に行こうか?」

「俺たちも行っていい?」

「先生の仕事してる姿見たいです!」

「私も!」


 それは僕ではなくジョルジュに言うべきでは?と思ってジョルジュを見ると安心した顔をしてるからむしろ僕を連れて行くというよりみんなと一緒にいたかったんだろう。


「ジョルジュはそれで大丈夫かな?」

「うん!」


 みんなで移動することになって雪の中歩いていくとたまにヴェルが滑って転んでいた。

 他のみんなはそうでもないけど、力強く歩いてるのかな。


 そんなこんなでジョルジュの家に着くと二階建ての一軒家だ。

 外から見る限りでは外に魔道具は置いてないので苦労することはないだろうと家の中にジョルジュが入っていき両親が出て僕の姿をみて少し驚きながら家の中にみんなを招いてくれた。


「魔道具の魔力供給屋と聞いたんですが…」

「そうですね。旅の者なんですが路銀が少し足りなくなってきて困っていたところをジョルジュ君に紹介されたんですが」

「結構な数の魔道具があるのですが。それで4枚と聞いたのですが大丈夫なんでしょうか?」

「大丈夫ですよ。あ、できれば他に困ってる魔族がいらっしゃれば紹介してくれたら助かります」

「それなら…」


 若干不審に思われるのは仕方ないが、魔眼で両親の魔力を見るが別にこの人らでも魔力を流すくらいできるだろうに。


 子供たちが後ろをついてきて大所帯になってしまってるが両親に案内されて連れていかれた場所は大部屋の暖房魔道具だった。これを改造すれば良い爆弾になるだろうなと思うとちょっとほしいな。


 魔力の流れを見て貯蔵されてる位置を確認して近づいて魔力を供給しようとしたところで違和感を感じる。


 長い間使ってきたのかわりと消耗していて魔力を満タンまで満たせば多分漏れるくらいには使い込まれていて魔道具自体の損耗が激しい。


「すいませんけど、これ少し直してもいいですか?」

「直すですか…?」

「魔力が最大まで溜まらないくらい消耗してるみたいなので、別に形とかは変わらないんですけど…?」

「それじゃあお願いします…?」


 リュックの中に改造した暖房魔道具があったと思うのでその一部を外して貯蔵する場所に応急処置的にくっつけておく。術式でくっつけるから多分問題ないとは思うけど。


 あとは普通に魔力を通して満たしておく。


「他の場所はどこでしょう?」

「え?あぁもう終わったんですか?」

「ねぇお姉ちゃん!どんなことしたの?」

「破損した場所をくっつけただけだよ」


 僕とケミリの話を聞いて不思議な顔をしている両親だったが次の場所に案内されたのはお風呂場だったり、部屋の明かりだったりと意外と数があって驚いたがどれも長く使っていたのだろう。破損箇所がいくつか見られてそのたびに直しておいた。


 あとはもう無いか確認して普通に魔銀4枚をくれた。


「本当によろしいんですか…?」

「まぁ修理に使った物は使う予定が無くなるかもしれなかったのでむしろちょうどよかったかもしれません」


 あって困るものではないが、ナナシの爆弾に期待できるなら多分暖房爆弾は今の在庫で足りてると思う。それよりかはナナシの言う爆弾の材料を買いたい。


「先生ってやっぱりすごいんですね!」

「フィ姉ちゃんなにしてるかわかんなかったぞ!」


 子供たちははしゃいでくれるが…ジョルジュには魔眼付与してちゃんと直してるか確認してもらった方が両親の信頼を得られたかもしれないなと終わった後に思う。

 そう思ったところでもしかしたら魔眼を使えない?この両親は。


 いやでもそしたら魔道具の残量の確認とかどうしてるんだって話になるし…隔離塔の資料では魔眼はわりと初歩的な魔法だから覚えていてもおかしくはないんだけどな。


「今日はありがとうございました」

「いえいえこちらこそ。子供たちと一緒にいるときがあるのでジョルジュ君に言ってくれたら他に困ってる魔族の元に寄りますよ」

「はい、他の仲間にも聞いておきますね」


 そう言って結局広場に戻ってしまった。

 みんなからどうやったのか説明を求められたので魔眼を術式で付与してあげて、今では壊れた暖房爆弾を見せながら説明するとレイモンドがとても関心していた。


 これは魔眼をみんなに先に教えた方がいいのかもしれないな。


 あとはおすすめの持ち帰れる食事を教えてもらってから、買い物をして宿に戻るころには夕方よりは少し時間を過ぎてしまったが。ナナシがお腹を空かして待っていたので食事を見せると顔をほころばせて喜んでいた。


「無事で良かった…まだ重いだろうに買い物を続けてるのかと思った…」

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