表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/23

狼とドライアード 7(ファングの話)

ファングの話:


ヒルダに言わせるとシルバーバックとオッドアイは割と気が合うらしい。あの二人は仲がいいんだよ、と言う。


俺はただ仲が悪いだけだと思うがな。今も目の前で喧嘩を始めた。暇なら見物するんだが、俺も一日山歩きで疲れていた。ディックにシルバーバックへの伝言を頼んで、隊舎に戻る事にする。


炊事担当が食事をあたため終わっていたので、他の兵と一緒に食事をしているとしばらくしてシルバーバックがやってきた。


「悪いな、ファング。軍関係の連絡はいつものだけだった。今日はイスタの町まで行って手紙や連絡をもらってきたから、急ぎでない限り軍の連絡はしばらく無いな」


俺は頷いた。


「スウィフトの隊からの連絡は無しか?」


「無しだ」


スウィフトの隊は少人数でエルンシア側の偵察に行っていた。今回はいつもより帰りが遅れている。


「哨戒で何か変わった事があったか、ファング?」


「特に何も無かったな。ただ猟師が山の奥で妙な歌声を聞いたと言っていた」


「それはもしかしてイオかもな」


「イオ?」


「さっきヒルダと一緒にいた娘だ。ドライアードだと言っていた」


ドライアード、山の奥深くに住む魔族。同じ魔族とはいえ交流はない。歌声で人を魅了するとかしないとか。


「何で一人でこんな所をうろついているんだろうな」


「さあ、明日になればヒルダに聞けばわかるだろう」


俺もシルバーバックに賛成だ。同じメンバーで退屈している所に珍客到来。時間のある女達はヒルダの部屋で夜遅くまで喋っているに違いない。


スウィフトの隊が遅れているのが気になる。明日の朝、自分でエルンシア側の偵察に行ってこよう。余計な心配だったという事なら、それに越した事はない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ