エピローグ
「ファング、邪魔するよ」
ドアが開いてヒルダが入ってきた。俺は自分の部屋で毛布にくるまって暖炉の火を眺めていた所だった。
「あまり元気がないみたいだね」
俺は低く唸った。
「イオの事を気にしているのかい?」
「いいや」
俺は余分の毛布をヒルダに向けて放った。ヒルダは受け取ったが、毛布にはくるまらなかった。
「嘘だね。あんたは気にしているよ」
ヒルダは俺の隣に座った。火を眺めている。
「まだ、何か私達に言っていない事があるのかい?」
「無いな」
俺は、イオが俺に呼びかけた後、歌うような素振りを見せた事を考えていた。どうしてそんな事をしたのか。
俺は、ヒルダに向かって手招きをした。
「あんたの負けだよ」と、ヒルダはにっこり笑って言った。
俺は聞こえない振りをした。同じ毛布の下、ヒルダの体温が太陽のように暖かい。
イオの最期の事は、考えがまとまったらヒルダに話そう。
拙い話を最後まで読んでいただいて、本当に有難うございました!
書いていて、すごく励みになりました。
オリジナルは初めて書いたのですが、話の筋を考えて、キャラを考えて・・・・。
思ったよりずっと大変だったです(笑)。長さも初めに考えていた倍くらいになってしまいました・・・。
完結にあたって、プロローグと、それから初めの話が2話分繋がっていたので、1話づつにしました。
途中からの変更で申し訳ありません。でも、気になっていたので・・・。
またお会いできる日を楽しみにしています。