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本当はあなたに好きって伝えたい。不遇な侯爵令嬢の恋。  作者: 四折 柊


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33/33

33.エピローグ

 二人の結婚式は急ピッチで準備された。

 ディアス伯爵家が支援している王都の教会で式を挙げることになった。シャルロッテも準備の様子が気になるのか屋敷に度々顔を出してはお義母さまと話し合いをしている。


「ジリアンも自分の意見を言わないとお母様に全部決められてしまうわよ?」


「お義母様にお任せすれば大丈夫だと思っています。それに……みんなが私のためにいろいろ考えてくれるのを見ているのが楽しいんです」


「ジリアンは欲がなさすぎよ? お兄様にはちゃんと甘えてね」


「はい。そうします」


 そして良く晴れた日にジリアンとフレデリックは結婚式を挙げた。

 ジリアンには祝ってくれる身内がいないが、新しい家族が出来たので気にはならない。フレデリックは大袈裟にしたくないと家族と心から祝ってくれる友人だけを招いていた。きっとジリアンを気遣ってくれたのだ。でも参列者の中にこの国の王太子殿下がいらしてジリアンは驚きのあまりに固まってしまった。


「ジリアン。フレデリックの手綱をしっかり握っていてくれ。この男は好奇心が旺盛でじっとしていられない。私としては国を支えるために手を借りたいのだ。よろしく頼む」


「は、はい」


「殿下、ジルに変なことを頼まないで下さい」


「フレデリック。幸せになれ」


「ええ、ありがとうございます」


 フレデリックと王太子殿下はとても気安い。お互い親友だと思っているようだ。学生時代は一緒に留学をしていた。フレデリックは殿下のお目付け役を頼まれていたらしいが、実際はフレデリックのほうが自由過ぎて殿下が苦労したらしい。殿下はジリアンをフレデリックの伴侶として認めてくれた。これほど心強い祝いの言葉はないだろう。


 お義母さまから譲られたウエディングドレスはジリアンによく似合っていると思う。ベールはフレデリックがドレスにお金をかけられなかったからとこだわりの品を用意した。美しい刺繍が鮮やかに広がる。


 隣には真っ白なタキシードを着たフレデリックが眩しそうに自分を見ているが、彼の方が麗し過ぎてジリアンの方が眩しいと思う。


「ジル、凄く似合っている。今では他のドレスは考えられないな。綺麗だよ」


「ありがとうございます。フレッドもすごく素敵です」


 みんなが綺麗だと言ってくれたがやっぱりフレデリックからの言葉が一番うれしい。

 

「ジリアン。私は生涯をかけてあなたを幸せにすると誓う」


 フレデリックの紳士な言葉に胸が震える。


「私もあなたを支え共に幸せになることを誓います」


 招待客に見守られ自分たちの思う誓いの言葉を捧げる。フレデリックが屈んでジリアンの唇にそっと触れるだけの口付けを落とす。周りからは祝福の歓声と拍手、そして花弁が空を舞った。


 今日、ジリアンは世界一幸せな花嫁になった。夫の腕に手をかけ寄り添う。立ち会人となってくれた参列者の人たちに満面の笑みで応えた。








お読みくださりありがとうございました。

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