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夏の夕日

作者: 優奏

いずれ君が死ぬことを知って

僕は悲しんだ

何もできない 僕は君を救えない

運命には逆らえない

君は頭を抱える僕に

「知ってるよ」

といった

どういう意図で言ったのかは知らないが

その言葉が 僕には重く感じた


生きてる 言葉の中で生きてる 伝えたい この想いを 誰かに伝えたい

会いたい 君に会いたい もう一度

忘れるな 忘れるな 忘れるな 思い出せ

覚えているだろう 君と出逢った日のこと

すごくすごく美しかった あの夜のこと


思い出したんだ 僕は本当は君のこと好きだったって


忘れたくない 忘れたくない


青い太陽 三日月 燃えるように熱い


君と見た夕日 思い出すよ、あの日のこと

好きだった君のこと

悲しそうな目をして僕の前にたたずむ

始まりの音がした


笑った君のえくぼ

君の瞳には何が映る?

笑顔の君 可愛い前髪 風に揺れる

おさげ髪の彼女がふと微笑んだ夏の日

記憶をたどって君に会いに行く


そう、過去は振り返らない


ふと立ち止まった君の顔が妙に嬉しそうで

僕の心も途端にはやった


涙のしずくが零れ落ち天へと召された

あの日の夕日が今でも忘れられない


微笑んだ君の涙袋が妙に可愛くて


あの日を思い出す


空と月が天へかえって

夕焼雲を照らす

あの日のシンガーソングライター

光を灯す月光


あの夏を思い出す


決して恵まれることのなかったこの命が

あの日出逢い光を灯し 僕の前に現れた


一人じゃないよ 君はそう言っているようで 

僕は悲しみに暮れた


あの目覚まし時計がはやりたてる


今じゃないよ この時は

青い月が光を灯して 僕に話しかける

あの暑い夏の日に出逢った君と僕だと


行先も伝えず君は 路面電車に乗り込んだ


咲き誇る花火の中 君の目が語りかける

別れを灯す夕日

惜しげもなく咲き誇る花火


あの日見た夕日が僕の胸を締め付ける

あの夏だったんだ 僕が見たのは


赤い提灯が路面に並んで

愛おしくとも張り裂けそうな僕の心


また会えるかな桜の木の麓で

張り付くも離れない僕の心


あの夕日僕も見たよ

綺麗だった

咲き誇る花火が

あの夏を思い出させる

桜が満開だったあの日も

夕暮れ抱き合った

あの日も僕にとっては一生の宝物


目を閉じると浮かんでくる

惜しげもなく咲いている君の花火

もういいよと君は言う

僕の気も知らないまま


赤提灯が思い出させるあの日の夕日

決して帰ることのないあの夏の思い出

あの夏の日思い出す 君の鼓動

荒れ狂った波の中

君の目がこっちを見ていた

引き込まれる そう思った


今でも目を閉じると浮かぶ君の怖い顔

大雨の中 君の目だけが 僕を睨んだ






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