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追放騎士メアの交響詩  作者: 白木 はる
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美しい国「ミラト」

しばらく走っていると、遠くに巨大な外壁が見えてきた。


「おぉ···あそこが、多種族混合の国ミラトか」


よく見ると、国の入り口から長い行列ができている、その先頭で入国審査らしきものを行っているようだ。


「入国審査か···入れて貰えれば良いのだが··」


私は、走る速度を少しずつ落として、急いで列に並んだ。まだまだ先頭は遠い、時間が掛かりそうだな。


「あのー···暇でしたら、僕の話相手になってくれませんか?」

「む?構わんぞ?」


私の前で並んでいた少年が話しかけてきた。

この少年の装備を見た限り転生者だろう、持っている剣がどう見ても神器の類いだ。


「少年よ、剣は揃っているようだが···防具は装備しないで良いのか?」

「え?···防具ですか?ハハハッそんな物、僕には必要無いですよ。転生する時に貰ったこの神器があれば、どんな魔物も一撃ですから!」

「···そうか··ところで、その神器はどの神から

貰ったんだ?」

「確か白髪で、聖職者のローブを着てる女性でしたね」

「ふむ···それは、戦神ヘファイス様だな、賜った神器、大事にするのだぞ···あと、信仰心もな」

「はい!」


転生者の少年と話をしていると、列の先頭がすぐそこまで来ていた。


「はい、そこの少年、身分を証明できる物は?」

「この武器です」

「こ···これは、戦神ヘファイス様の神器!!···

これは失礼しました。どうぞ先へお進み下さい」


転生者は転生した証明になる物を見せれば、審査を通過できるようだ。

正直羨ましいな。


「次!そこの冒険者!身分を証明できる物は?」

「私か、困ったな····この剣でできるだろうか?」

「この金細工は···帝国騎士団の物だな、何かの

任務か?」

「まぁ·····そんなところだ···」

「?··まぁいい、通って良いぞ。」


何とか審査に合格し、ようやくミラトへ脚を踏み入れる、すると、そこは今まで見たことの無い景色で溢れていた。


「なんと···これほどとは···」


エルフに、樹人、竜人、狼人、有翼人、魔骨人、

獣人、人間、角人、サキュバス、液状人、ドワーフ、妖精等、様々な種族が種族の垣根を越え、楽しげにコミュニケーションをとっている。

それだけでなく、今いる住宅街もとてもオシャレな作りとなっている。

さらに商店街を見ると、帝国では見た事が無いような物が沢山売られていた。


「なんと素晴らしい国だ···!」


私は、この街を見て回りながら街の役所へ向かった。

街の住人に道を訪ねながらだったので、役所には想定より早く役所を見つける事が出来た。


「この街は住人も優しい者ばかりで、本当に感動させられっぱなしだな」


私は独り言を呟きながら案内された役所へ入る。


「こんにちは!今日はどのようなご用件で?」

「この街に住みたいと思っているのだが、何をしたら良いか教えて貰っても良いだろうか?」

「はい、国民登録するためには、こちらの書類が必要になりますが、今すぐに登録しますか?」

「ああ、頼む」

「かしこまりました、今こちらに書類を転送しますので、少々お待ち下さいね♪」


そう言って少女が短い呪文を唱えると、後ろに置いてある機械が動き出す。

今、書類を転送中なのだろうか、時間が少し掛かるようだ。


「·····」

「·····」


私と受付の少女との間に微妙な空気が流れる。

すると、受付の少女が口を開く。


「あ···あの冒険者の方なんですか?」

「ああ、この街で冒険者登録をしようと思っている」

「へぇ···鎧とかは、今装備してらっしゃる

頭鎧と身隠しの衣だけで良いんですか?」

「そうだが···随分と装備に詳しいんだな」

「実は私、前にやってた仕事が冒険者だったんですよ、良ければこの街の鍛治屋とか教えましょうか?」

「悪いな···頼む」

「了解しました!···あ、書類が来ましたよ」

「ありがとう、すぐ完成させる」

「わかりました!」


私は書類を書き進めながら、あることが気になったので、少女に話し掛ける。


「さっき冒険者だったと言っていたが、何で止めたんだ?」

「え!?···あぁ···あの···えっと」


少女が急に焦り出す。


「あの···えっと···秘密です!」

「そ、そうか」


そんな事をしている間に書類が完成したので、

少女に渡す。


「できたぞ、確認してくれ」

「あ、はい確認しますね」


少女が書類を確認する。


「はい、問題なくできてましたよ」

「そうか、良かった」

「ご利用ありがとうございました!···あ、あとこれ」

「む?···これは鍛治屋への地図か、感謝する」

「いえいえ」

「では、世話になった」


役所を出た私は、次に少女が教えてくれた加治屋へ脚を運ぶのであった。

完全不定期更新です

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