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追放騎士メアの交響詩  作者: 白木 はる
39/42

クルシャの過去

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ー東土❬鬼族の里❭ー


「今日来るんでしょ?❬デーラ❭様」

「あぁそうだぞ、❬クルシャ❭」


今日はここ❬鬼族の里❭に、英雄と讃えられている冒険者❬デーラ❭様が来て、彼女自身の冒険話を聞かせに来る日だ。

里の皆もデーラ様が来るその時を、心待ちにしている。


「!!···おいクルシャ、あれデーラ様じゃないか?」

「ホントだ!デーラ様ー!」


私はこちらに歩いて来るデーラ様に、手を振る。

するとデーラ様も私に手を振る。


「やぁ!元気にしてたかい?クルシャちゃん」

「うん!」

「それは良いことだ、じゃあ···行こっか!」


私はデーラ様と手をつなぎ、街の広場に向かう。

広場には既に、子供達やその親達が集まっていた。

そこにいる皆の目的は同じ、デーラ様の冒険話を聞きに来たのだ。


「それじゃ、始めようか」


それから三時間程でデーラ様の冒険話は終わり、皆が解散した後に私は、デーラ様が宿泊している宿屋に忍び込み、デーラ様が居る部屋の前に行った。


「そこにいるのは、クルシャちゃんだね?」

「え!!??」


扉の前に居るのに誰かまで当てられた私は、驚いて、声が出てしまう。


「入って来な」

「は、はい···」

「で、何か用?」

「あの···えっと」

「?」


緊張して言葉が出てこない。


「どうしたら···冒険者になれますか?」

「そうだねぇ·····まず、クルシャちゃんがもっと大きくならないとダメだよね」

「ですね····ほ、他には··?」

「··うーん·····少し難しい事だけど、❬リスクを恐れず前にだけ進む❭···これが一番大事だね、あとは仲間さ」

「····リスクを恐れず前にだけ進む···」

「そうさ!」


ーその夜ー


私はお父さんに相談をする。


「なんだい?クルシャ」

「あの···私、冒険者になる!!」

「!!···本気なのかい?クルシャ」

「うん」

「クルシャ····ダメだ」

「え?」

「冒険者稼業っていうのは、とっても危険なお仕事なんだ、毎年冒険者が何百人と亡くなってるんだぞ·····お父さんはな··クルシャには、もっと❬安全で安定した仕事❭に就いて欲しいんだ」

「·····そ、そうだよね··」


確かにそうだ。


「そうだクルシャ、クルシャは鍛治屋の装備が好きだったな!隣国ある有名な❬鍛治ギルド❭に就職してみたらどうだ!お前なら楽しめるんじゃないか?」

「!!···た、楽しそう···かも」

「だろ?明日にでも見学しに行くか?」

「うん!」


ー翌日ー

❬鍛治屋ギルド❭


「へぇ、君がクルシャちゃん?」

「はい」

「あたしは❬ベルゼ❭ってんだ!今日はよろしくな!」


私達は挨拶を済ませ、鍛治屋ギルドの奥まで歩いて行く。


「ここが私の仕事場だ」

「凄い···私の知ってる鍛治屋の仕事場より、何倍も広い··!」

「だろ?」

「はい!」

「少し、私の仕事を見せてやるよ」


そう言うとベルゼは、一本の剣を作り始める。

ベルゼの金槌で叩かれた鉄塊はみるみる形を変え、剣の形に変わる。

それから約15分で剣は完成した。


「······綺麗」

「だろ?···クルシャちゃん、君も剣を一本作ってみな!」

「えぇ!?い、今から!?」

「大丈夫だよ、この私が教えてやっからよ!」


私はベルゼに剣の作り方を教えてもらい、剣を作る作業に入る。


ー一時間後ー


「·····ここまで出来たら、魔力を込めて叩く」

「····」

「こんな感じで、完成!」

「(なるほど、あまり武具を作るのには向いて無いみたいだな·····もしかすると)」


ベルゼが私にボロボロの鎧を渡す。


「これは?」

「次はこれを修理してみな、私は何も教えないがね」

「えぇぇ!?」

「(私の目が間違ってなければ····きっと)」

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