動き出した闇
ー神界ー
私達の❬枷❭を外してから、2日の時が経った。
❬星空の女神アストレア❭が私達に時間が分かるように❬腕時計❭という物を授けた。
この❬腕時計❭は私達の世界の時計とは違い、とても小さい、それに時計に紐のようなモノが付いているので常に身に付け、時間を確認できようになっているそうだ。
「不思議な道具だ··」
「オラッそんな事より、特訓の続きだろ」
「あぁ、そうだったな」
私達は今❬神界❭で、解放された私達の❬本来の力❭に慣れて、調節ができるようになるまで特訓をさせて貰っている。
特訓の内容は、壁に囲まれた狭い道で壁に激突しないように歩く事や、ジャンプする時に飛びすぎないようするために、定められた高さまで❬力❭を調節して飛ぶ等のシンプルなモノであった。
私達が特訓を始めてから、2日程経ったが···未だに殆ど進歩が無い状態が続いている。
『お二人とも、そろそろお昼にしましょう』
❬星空の女神アストレア❭が私達に昼食を持って来た。
最初に❬星空の女神❭本人が昼食をもって来た時は驚いたが、少しの間ここにいたら慣れた。
なんであれ、ありがたい事には間違いない。
「ん?···そうか、下界ではもうそんな時間か」
「時間の感覚が狂っちまいそうだな」
『あれから進歩しましたか?』
「ぜんぜんだぜ···まったく」
「なかなか難しくてな···」
『そうですか、まぁ···そのうち少しずつ慣れていきますよ』
そう言って❬星空の女神アストレア❭が微笑む。
私達は❬星空の女神❭の下へ行き、昼食を取る。
昼食を食べながら、少し考える。
「(本当にこの❬力❭を馴染ませる事ができるのだろうか?)」
いつまで経っても慣れずに、永遠とここ❬神界❭にいるような事態になったら····などという不安が込み上げて来る。
「何か考え事か?」
クルシャが話し掛けて来た。
「いや···このまま❬力❭に馴染めなかったら···なんて事を考えていたんだ」
「···そうか、そうなる気持ちも解るが··とりあえず、出来るか出来ないかなんて、考えずにひたすらこの特訓に打ち込んでみたら良いんじゃねぇか?」
「···確かに、そうだな··まだ特訓を始めてから2日だしな」
「おう」
私達は昼食を終え、再び特訓を始める。
❬一方その頃『魔界』では·····❭
ー魔王城ー
「やぁ··久しぶりだねぇ、❬メルティア王❭」
「そうじゃな···❬魔王ミティス❭よ」
❬魔王ミティス❭と❬メルティア王❭が席に着く。
「して、何用じゃ?」
「いや?久しぶりにお茶でも···ってね」
「嘘が下手じゃのう、それで?··本題は?」
❬魔王ミティス❭は静かに話し始める。
「君の大好きな❬メア❭さん····いや❬メア❭ちゃんの···」
「(なんで言い換えた?)」
「あの剣は···?」
「やはり気付きおったか···」
「あの剣、ニセモノだよね?」
❬メルティア王❭がため息をする。
「❬メア❭がまだ帝国騎士団にいた頃は、本物を使わせていたが······救世の旅に出るとなるとな···」
「あの剣の能力が心配なの?」
「あぁそうじゃ····❬メア❭の愛剣❬クラウ·リング❭は、持ち主の感情によってその力が変化する。」
「もし、旅の途中で❬闇❭に飲まれてしまったら······って言いたいんでしょ?」
❬メルティア王❭が頷く。
❬クラウ·リング❭その剣は❬魔王ミティス❭含めた、全ての神々が力を集結し作り上げた、❬三人❭の救世の剣達····❬導き紡ぐ剣ルル❭❬深淵を照らす輝剣クラウ·リング❭❬光の剣ルナ❭の内の一本。
「もし❬メア❭が闇に飲まれてしまえば····世界が····」
「そうだね···でも、私達に出来る事は信じてあげる事くらいでしょ?」
「····そうじゃな···❬メア❭を信じよう」
❬???❭「彼女が闇に飲まれる時、彼女の灯は陰り封印された❬血の記憶❭が蘇る、そして彼女は暴走する··········果てに、帰らぬ者となるだろう」