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追放騎士メアの交響詩  作者: 白木 はる
27/42

転生者の呪い

ー魔王城ー


「何か用かい?二人共」

「❬光の神❭の試練を受けて来た、その試練の内容はある世界からの脱出だった、そしてその世界は生命の存在しない白い世界だった、この試練達成の助けとなったある文章にはこう記されていた『この世界はお前の世界の成れの果て、避ける事の出来ない事だ』と」

「なるほど、それについて聞きに来たんだね」


魔王は何か思い出しながら話し始めた。


「この世界の破滅の運命自体は事実なんだけど、その白い世界は多分変えれるんだと思うよ」

「本当か!?」

「あぁもちろんさ、まぁ君達が動くならだけどね」

「私達?···私達にそんな力は無いと思うが」

「いや、その試練で見た破滅の運命を変えれるのは君達だけだよ」

「何故だ?転生者の方が多分向いてるのでは?」

「ダメだよ転生者なんかじゃあ世界は救えない、それに転生者は全員が❬呪い❭をかけられてるからね」

「❬呪い❭?」

「実は私なりに転生者を調べたんだ、そしたらこの❬呪い❭があったんだよ、それもかなり良い❬呪い❭がね··」

「どんな効果だ?」

「生命が抱き易い、悪い感情が過激化しやすくなる、しかも大体が殺意に繋がるようにできてる」

「!?そ、それは···かなりまずいんじゃ···」


魔王が頷く。


「そうさ、なにせ彼らは大体が心のどこかで救済をしてあげたいと思ってるからね」

「?··つまりどういう事だ?」


クルシャが聞く。


「彼らが何かを救おうとしたら、大抵は❬悪❭が出てくる、そして彼らが❬悪❭を蹂躙するそしたらその瞬間には❬憎悪❭や他の❬悪の感情❭に繋がる感情を抱くんだ」

「!!··そうしたらその感情が❬呪い❭で過激化して···暴走する」

「そういう事さ、転生者が❬狂化❭した原因も多分これだね」


ふと気になった事を私は魔王に質問する。


「その❬呪い❭は転生者以外にもかかってないのか?」

「それは大丈夫さ、全員を調べたけどやっぱりかかってるのは転生者だけだったよ」

「(全員?)」

「あぁ全員っていうのは、この星の全生命って事だよ」

「!?··一人でか?」

「一応私、魔王ですから」

「そ、そういうモノか·····?」


すると魔王が立ち上がり、口を開く。


「君達にもう一つ、依頼だ!」

「なんのだ?」

「世界を救ってくれ」


·······


「·······は?」

「········本気か?」

「あぁ本気だよ」

「魔王であるアナタがした方が早いのでは?」


魔王は首を横に振る。


「私には少々人間には難しい事情があってね····私ができるのは、世界を救える存在を迎える力とその存在の手助けくらいだよ」


魔王の表情は巻かれた包帯で口と鼻くらいしか見えないので分からないが、少しだけ気分が落ち込んでるようだ。


「すまないな変な事を言って」

「いや、平気だよ」

「最強と噂の❬魔王ミティス❭の言った事だ、きっと正しいさ」


そう言うと魔王の表情が少し明るくなった気がした。


「まぁその依頼を受けるとして、具体的にはどうやって救うんだ?」

「まずはこの❬呪い❭をかけた元凶を見つけ出して潰す事が優先だね、世界を救う方法を考えるにはまだ情報が少な過ぎるからね」

「何はともあれまずは❬呪い❭だな」

「って事で、君達はこれから沢山冒険してもらうから、これを納めといて」


魔王が小さな革袋を渡す。


「これは?」

「私特製の❬マジックバッグ❭だよ」

「良いのか?というか、これ自分で作れる物なんだな···」

「そのアイテムは通常の物とは少し違って、もちろんアイテムは無限に入るんだけど、凄いのは

人を呼び出せるんだ!」

「!?··そ、そんな事が?」

「そのアイテムに向かって、私の名前を呼んでみて」


私は魔王の名前を❬マジックバッグ❭に向かって言う。

すると私に隣に魔方陣が出現し、そこから先程まで目の前にいた魔王が出てきた。


「じゃーん!どうだい?凄いでしょ!」

「おお、これは凄い!!」

「こ、これは流石にスゲーな···!」

「まぁでも、呼んだ人が召喚に応じないと出ないけどね」

「これは一般の❬マジックバッグ❭のバッグ内の時間停止や他の効果も付いてるのか?」

「もちろん!全部揃ってるよ!」

「こんなに良い物だと、なんだか貰いにくいな」

「別に気にしないでいいよ、でも他人にあげたりはしないでね」

「分かった、大切に扱うとする」


その後、魔王は自分特製の❬マジックバッグ❭制作までの道のりや色々な出来事を楽しそうし私達に話した。

結局その日は遅くなってしまい、私達は魔王城で

寝る事になった、まぁ私達の部屋に何故かナウディアと魔王が来て、話をし始めたので私達は中々

眠る事が叶わなかった。

翌日私達は昼近くになって目を覚ますのであっあた。

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