東の大鉱山 『2』
私はクルシャを背負って❬加速❭を使い、東の大鉱山の目の前まで来ていた。
「さて、どこに鍛治屋はいるんだ?」
私達は大鉱山に入り、鍛治屋の捜索を始める。
すると近くから戦闘をしているような音がする、稀に死にかけのパーティーが戦闘している事があるので一応、見に行く。
「よしっ!これで99匹目だ!」
そこには一人の少年が飛竜の死体の山の上に立っていた。
「あの防具と剣は·····転生者か?」
あの装備は❬神具❭の類いだろう。
すると少年の後ろに一匹の飛竜が降り立つ。
「あ···あの飛竜は、まさか」
そう私が呟いていると、少年がその飛竜に向かって行った。
「お前で、100匹達成だ!!」
その少年の剣が飛竜の首へ振り下ろされる。
「よせ!!その竜は···」
そう叫んだが、もう時は遅かった。
その竜が飛びかかって来た少年に向けて、爪を軽く振る。
するとその少年は真っ二つになり、その後に断面から出てきた黒い何かに溶かされて消えてしまった。
「あの竜は、闇の竜❬アポカリプス❭だ」
「そもそも、人間が勝てる相手じゃねぇな」
アポカリプスがこちらに近づいて来た。
するとアポカリプスは人の言葉で話し始めた。
『そこの二人の人間よ、私に名乗れ』
アポカリプスは何故か私達の名前を聞いてきた。
「私はメアと言う名だ」
「私の名はクルシャだ」
『メアにクルシャか······そうだなそうなると、私も言う事が無くなってしまったな····うーむ』
「?」
「?」
何やらアポカリプスは考え込んでいた。
相手が竜でありあのアポカリプスなので、まったく表情が分からなかった。
『お主ら、何か用事があってここに来たのか?』
「あぁ、ある鍛治屋を探しに来た」
『そうか、ではその用事が終わり次第に魔王城に行ってくれ』
「!?」
私達はアポカリプスに、魔王城との繋がりがある事に少し驚く。
「構わないが、なぜ魔王城なのだ?」
『城の者に話は通しておく、何かは楽しみにしておくが良いだろう』
「は、はぁ···」
私が了承すると、アポカリプスが大鉱山の奥を指差す。
『鍛治屋のような人間なら、この奥で戦っておったぞ、用があるなら行ってみるが良い』
「情報提供、感謝するアポカリプスよ」
『気にするでない···ではまた会おう、人間よ』
そう言うとアポカリプスは飛んで行ってしまった。初めてアポカリプスと接触したが、前のような禍々しいイメージとは真逆だった。
「しかしこの奥か···」
「だな」
この大鉱山の奥には飛竜ではなく、❬デーモン❭と言われる巨大なモンスターがマグロに潜んでいるのだ❬デーモン❭の強さは凄まじく、転生者でも三人くらいの人数でやっと倒せる程だ。
「鍛治屋一人でそこに居るのも危険だろう、私達も危険ではあるが向かうとするか」
「あぁ、急いだ方が良さそうだ」
私達は大鉱山の奥へと急いで向かう、その道中に飛竜やモンスターと遭遇したりしたが、二人で問題なく対処が出来た。
「メア、何かこの辺りのモンスターが変に大人しいと思わねぇか?」
確かに、クルシャの言う通り東の大鉱山にしては
モンスターとの遭遇する回数が、少な過ぎると感じる。
「もしかすると、奥で❬デーモン❭が鍛治屋と交戦してるのではないか?」
「確かに、それで変に大人しいワケだ」
「既に交戦状態になっているかもしれない、急ぐぞクルシャ!!」
「おう!!」
私達は急いで大鉱山の最奥にあるマグマ地帯に駆けつけた。
「あそこで戦ってんのが、鍛治屋じゃねぇか?」
クルシャが言う方向を見ると、そこには❬デーモン❭と一人で戦う全身鎧の人物がいた。
「❬デーモン❭相手に一人!?」
「加勢するぞ、メア!」
「あぁ!」
そう言うと私達はお互い武器を手に取り、加勢しに向かうのであった。
デーモンのイメージは、ダークソウルの爛れ続ける者みたいな感じですw