再開
二人が馬車で、帝国へ向かっている途中の草原で
なにやら怪しい人影が見えた。
「クルシャ、あれは魔王が言っていた問題の転生者では無いか?··」
「!··確かに間違いねぇ、おい!運転手、この先に危ないヤツがいるから、ここで待ってろ!」
「え、えぇ!?でもアナタ達はどうするんですか?」
「あ?その危ないヤツを排除するんだよ」
「だ、大丈夫なんですか?」
馬車の運転手が心配する。
「心配はいらないぞ運転手、だから急いでそこらの物影に隠れていると良い」
「分かりました、ではお気をつけ下さい···」
こうして運転手を隠れさせて、私達二人は問題の転生者がいる場所へ向かった。
転生者の近くに来たが、やはり魔王が言っていた
狂化した転生者で間違いないようだ。
すると狂化の転生者がこちらに気付き、黒ずんだ神器を出した。
よく見ると、その転生者はミラトに入国する時に話した少年だった。
『ウアアアアアアア』
その少年が明らかに人間のモノではない、咆哮を上げこちらに攻撃を放って来る。
少年の神器から放たれた一撃で、そこに大きなクレーターができる。
「おいメア!こいつの攻撃を帝国の反対方向に反らさないと、まずいみたいだぞ!」
「あぁ、分かっている!何としても反らすぞ!」
私達が話している間にまた少年が攻撃を放つ、
私達はそれを何とか反らす、反らした先の草原が
焼け野原と化す。
「これは避け続けても、いづれ甚大な被害が出るな、攻撃を仕掛けるぞクルシャ!」
「あぁ!」
私達は少年の攻撃の隙を見極めて、スキルを一斉に叩き込む。
「❬多重連斬❭!!」
「❬アイシクルレイピア❭!!」
クルシャの❬多重連斬❭が、少年を同時に4回も斬りつけ、私の❬アイシクルレイピア❭でさらに連撃を叩き込みつつ、氷属性で少年の動きを少しずつ鈍らせる。
「一旦下がるぞクルシャ!」
「おう」
その判断は正しかったらしく、私達のスキルを受けて怯んだ少年が激昂し、さらに魔力を込めて先程まで私達がいた場所を攻撃する。
そこにまた大きなクレーターができる。
「ったく、無茶苦茶な事しやがるな···」
私達に攻撃を避けられた事に気づいた少年は、こちらに向けてスキルを撃って来る。
『❬ファイヤバレット❭』
そう少年が唱えると、炎の玉が大量かつ凄まじいスピードで飛んでくる。
「❬ウォーターシールド❭」
水の盾で炎の玉を防ぐ。
「結構一撃が重いな···」
私は何とかして、攻撃を防ぎ切る。
「今度はこちらの番だ!」
そう言ってスキルを少年に向けて放つ。
「❬ライトニングスピア❭!」
「❬エクスプロージョン❭!」
私の放った光の槍はほとんどが少年に防がれてしまう、だがその後のクルシャの爆破魔法が少年に
直撃する。
「どうだ?··やったか··?」
すると私達の斜め後ろから、何かが高速で向かっているに気付く。
「!!後ろか!」
気付いた時には、私達は完全に少年の間合いに入っていた。
『❬バーニングソード❭』
少年がスキルを唱える。
「あっぶなーい!!!」
「!?」
「!?」
私達は、何者かに突き飛ばされる。
直後に大爆発が起きる、だがその人物は攻撃を完全に防ぎ切っていた。
「お、お前は···」
「そんな事より、今は目の前の敵に集中ですよ···騎士長!」
「···またお前と戦場を共にすることになるとはな」
その人物はやはり見間違いなどでは無く、騎士団のアンリであった。
『ヴァ!?···』
少年が攻撃を急に防がれて少し驚く。
その一瞬の隙を見逃さず、私達三人でスキルを少年に叩き込む。
「❬シールドバッシュ❭!!」
アンリがスキルで、少年を上空へ吹き飛ばす。
「❬メテオ❭!!」
私も上空に飛んでそのスキルで少年を斬り、同時にクルシャがいる所へ叩き落とす。
「❬鉱山割り❭!!!」
クルシャが少年にそのスキルを発動する、するとクルシャの大剣が青く光る、青い光を帯びた大剣を真っ直ぐ縦に全力で振るう。
『ガァァッ···』
少年の体は真っ二つになり、その後に灰となって
消えた。
「ふぅ、改めて久しぶりだなアンリ」
「あれからまだそんなに経って無いのに、私も久しぶりなだなって感じます」
「あれから騎士団はどうだ?」
「それが何とですね、スキルの使用が許可されたんですよ!」
「!!何だとあの帝国騎士団がか?」
「そうなんですよ!···じゃなくて!私は騎士長にしなきゃいけない事があるんだった」
そう言うとアンリ、はその場で土下座をした。
「騎士長が追放されたのは···騎士長が私のミスの身代わりなったからだって、最近知りました。お詫びする物も私は、持って無いので···ここで私の命で償います··」
「!?」
そう言うとアンリはナイフを取り出し、自分の
首を斬ろうとした。
「馬鹿な真似は今すぐ止めろ!!」
私は初めて、アンリを大声で叱り飛ばし、ビンタをする。
「っ!?···き··騎士長······?」
「私が庇ってやったというのに、何が死んで詫びるだ!?そんなモノは何の詫びにもならん!詫びたいと言うのならば、生きろ!」
そう言うと私はアンリのナイフを折って捨てる。
するとアンリが私に抱きつき、泣き始める。
アンリがこうして私に抱きついて泣いたのは、約
2年ぶりだ。
「まったく成長したのかして無いのやら···」
それから10分程アンリは泣いていた。




