キミのその手をそっと掴んで連れ去りたい!
僕の好きな女の子は、、、?
手がとっても綺麗な女の子なんだよ。
見た目も、可愛く綺麗なのだけど、、、?
僕がキミに惹きつけられるところは、キミの手なんだ。
綺麗な細身の色白の手。
指先は、滑らかな柔らかそうな長い指でね。
そっと、キミの手を繋ぎたくなるようなそんな手。
どこかで、キミの手を取ってさらって行きたい!
キミの手が僕を誘惑する!
▼
僕の名前は、『紀の川 淘汰』29歳、女子校の先生をしているんだ。
女子校と言えば、、、?
男性がいないから、その学校の男の先生はモテると聞いていたが、、、!?
本当に、そうらしい!!!
こんなに、女性からチヤホヤされた事は、僕の人生の中で1度もないし!
ましてや、、、?
バレンタインや女の子から告白される事も一度もなかったんだ、、、!
僕よりも、10歳以上も下の女の子から、、、。
『紀の川先生は、好きな女の子とかいるの?』とか。
『紀の川先生! 大好きです!!!』とか。
『私の気持ちです!』と言ってプレゼントを持ってくる女の子。
僕は、男子校だったし、、、!
部活も柔道部で、男くさい汗まみれの部活で。
女性慣れしていない僕には、刺激的な職場だったんだ、、、!
毎日、何かしら、、、?
僕に話しかけてくる女子生徒。
僕の腕に手をまわしてきたり、抱きついてくるのは日常的な事なんだ、、、!
たまに、不意に僕の頬っぺたにキスをしてくる女子生徒もいるよ。
取りあえず、校長や教頭には何度も何度も、女子生徒と変な噂や変な関係に
ならない事だけ! 強く言われていたんだ、、、!!!
それ以外は、、、?
学校がフォローしてくれるという条件でね!
あんまり、一人の女子生徒と仲良くする事だけ僕は避けていたんだ!
他の僕以外の男の先生達もみんな、僕と一緒の考えなんだよ。
*
でもね、、、?
たまに、“先生と生徒”の関係でなくなる者もいるんだ。
“先生と生徒”の一線を、ついつい超えてしまって。
当然! その事は、どこからともなく噂になり学校のPTAでその事が取り
上げられて、見世物のように二人は真実を問い詰められる!
逃げる事が出来なくなった二人は、、、?
皆の前で真実を話してしまい、処分を下される。
その男の先生は他の学校に移動になり、その女子生徒は退学になった。
▽
僕は、二人の関係を知っていたし。
他の先生方も、みんな知っていたのだけど黙っていたんだ。
その先生の気持ちも分かるし、、、!
いくら? 先生と言っても男だから! 何があってもおかしくない!
そんな環境に僕たちはいるんだ、、、!
*
でも僕が今度、1年生のクラスの担任を受け持つ事になって。
そのクラスの女子生徒の中に、綺麗な女の子がいたんだよ。
今まで見てきた女子生徒にいない、綺麗な透き通るような可愛くも
あり綺麗な女の子だったんだ。
長い黒髪がサラサラとキレイで、少し陰があるような女の子。
何よりも、彼女の綺麗な手に僕の心が惹きつけられたんだよ。
そっと、僕が近づいて後ろから抱きしめたくなるようなそんな
女の子なんだ。
・・・でも僕は、彼女の担任の先生だし!
先生と生徒の関係を壊す訳にはいかない、、、!!!
僕は、他の女子生徒と同じように彼女を見る事に決めたんだ。
彼女の名前は、『青木 風』15歳の高校1年生だよ。
彼女は、いつもひとりで。
物静かに、ひとりで本を読んでいるのが僕の印象によく残っているんだ!
そんな彼女が、イジメのターゲットになってしまって。
僕はついに、立ち上がってしまった。
*
『やめなさい! 何故、青木にそんな事をするんだ!!!』
『だって! 青木さんって、無口だし! 不愛想だから、、、!』
『次、先生がこんなところを見つけたら、お前たち! ただじゃおかないぞ!』
『なにそれ? ひょっとして、先生! 青木さんの事好きなの?』
『そういう事じゃないだろう! イジメはよくないんだよ!』
『先生なんか、もういい! みんな行こう!』
『うん! 先生、見損なったよ、』
『サイテー』
僕はこうして、彼女を僕が本気で守らないとって心に強く想ってしまったんだ!
彼女には、僕しかいないって...。
あの時の、彼女はただ黙って俯いていただけだったのだけど...。
僕には、彼女が愛おしく想えたんだよ。
*
そして僕は、彼女にこんな事を言ってしまったんだ、、、!
『なあ、青木! これからは僕が青木を守るから!!!』
・・・僕はそう言って、彼女の手を掴んでしまった。
“先生と生徒”の関係は、そこで終わってしまったんだよ。
最後までお読みいただきありがとうございます。