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キミのその手をそっと掴んで連れ去りたい!

作者: 七瀬




僕の好きな女の子は、、、?

手がとっても綺麗な女の子なんだよ。


見た目も、可愛く綺麗なのだけど、、、?

僕がキミに惹きつけられるところは、キミの手なんだ。


綺麗な細身の色白の手。

指先は、滑らかな柔らかそうな長い指でね。


そっと、キミの手を繋ぎたくなるようなそんな手。

どこかで、キミの手を取ってさらって行きたい!


キミの手が僕を誘惑する!



僕の名前は、『紀の川 淘汰』29歳、女子校の先生をしているんだ。


女子校と言えば、、、?

男性がいないから、その学校の男の先生はモテると聞いていたが、、、!?


本当に、そうらしい!!!

こんなに、女性からチヤホヤされた事は、僕の人生の中で1度もないし!


ましてや、、、?

バレンタインや女の子から告白される事も一度もなかったんだ、、、!


僕よりも、10歳以上も下の女の子から、、、。


『紀の川先生は、好きな女の子とかいるの?』とか。

『紀の川先生! 大好きです!!!』とか。

『私の気持ちです!』と言ってプレゼントを持ってくる女の子。


僕は、男子校だったし、、、!

部活も柔道部で、男くさい汗まみれの部活で。


女性慣れしていない僕には、刺激的な職場だったんだ、、、!


毎日、何かしら、、、?

僕に話しかけてくる女子生徒。


僕の腕に手をまわしてきたり、抱きついてくるのは日常的な事なんだ、、、!

たまに、不意に僕の頬っぺたにキスをしてくる女子生徒もいるよ。



取りあえず、校長や教頭には何度も何度も、女子生徒と変な噂や変な関係に

ならない事だけ! 強く言われていたんだ、、、!!!


それ以外は、、、?

学校がフォローしてくれるという条件でね!


あんまり、一人の女子生徒と仲良くする事だけ僕は避けていたんだ!

他の僕以外の男の先生達もみんな、僕と一緒の考えなんだよ。



でもね、、、?

たまに、“先生と生徒”の関係でなくなる者もいるんだ。



“先生と生徒”の一線を、ついつい超えてしまって。

当然! その事は、どこからともなく噂になり学校のPTAでその事が取り

上げられて、見世物のように二人は真実を問い詰められる!


逃げる事が出来なくなった二人は、、、?

皆の前で真実を話してしまい、処分を下される。


その男の先生は他の学校に移動になり、その女子生徒は退学になった。



僕は、二人の関係を知っていたし。

他の先生方も、みんな知っていたのだけど黙っていたんだ。


その先生の気持ちも分かるし、、、!

いくら? 先生と言っても男だから! 何があってもおかしくない!


そんな環境に僕たちはいるんだ、、、!




でも僕が今度、1年生のクラスの担任を受け持つ事になって。

そのクラスの女子生徒の中に、綺麗な女の子がいたんだよ。


今まで見てきた女子生徒にいない、綺麗な透き通るような可愛くも

あり綺麗な女の子だったんだ。


長い黒髪がサラサラとキレイで、少し陰があるような女の子。

何よりも、彼女の綺麗な手に僕の心が惹きつけられたんだよ。


そっと、僕が近づいて後ろから抱きしめたくなるようなそんな

女の子なんだ。



・・・でも僕は、彼女の担任の先生だし!

先生と生徒の関係を壊す訳にはいかない、、、!!!


僕は、他の女子生徒と同じように彼女を見る事に決めたんだ。

彼女の名前は、『青木 風』15歳の高校1年生だよ。


彼女は、いつもひとりで。

物静かに、ひとりで本を読んでいるのが僕の印象によく残っているんだ!


そんな彼女が、イジメのターゲットになってしまって。

僕はついに、立ち上がってしまった。




『やめなさい! 何故、青木にそんな事をするんだ!!!』

『だって! 青木さんって、無口だし! 不愛想だから、、、!』

『次、先生がこんなところを見つけたら、お前たち! ただじゃおかないぞ!』

『なにそれ? ひょっとして、先生! 青木さんの事好きなの?』

『そういう事じゃないだろう! イジメはよくないんだよ!』

『先生なんか、もういい! みんな行こう!』

『うん! 先生、見損なったよ、』

『サイテー』




僕はこうして、彼女を僕が本気で守らないとって心に強く想ってしまったんだ!

彼女には、僕しかいないって...。


あの時の、彼女はただ黙って俯いていただけだったのだけど...。

僕には、彼女が愛おしく想えたんだよ。




そして僕は、彼女にこんな事を言ってしまったんだ、、、!


『なあ、青木! これからは僕が青木を守るから!!!』


・・・僕はそう言って、彼女の手を掴んでしまった。


“先生と生徒”の関係は、そこで終わってしまったんだよ。




最後までお読みいただきありがとうございます。

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