わくわくの王女様
国の外に出られてわくわくの王女様、歩きながらダリルに言います
「それにダリル、ここは国の外よ?もう身分なんて関係ない、王女様なんてよそよそしい呼び方はいやだわ。子どもの時みたいに名前で呼んでよ」
「わかったよ、シャリー」
お城からほとんど出たことのない全くの世間知らずの王女様、シャルロッテ、愛称はシャリー
そんな彼女を一人で外に出してしまえばすぐにきっと行き倒れです
でも、説得しても聞く耳を持たないシャリーに、それならば、とダリルもこの旅に一緒についていくことを条件に、旅に出ることを国王様と王妃様には内緒にしてあげることにしたのです
「でもさシャリー。街も川も山も、どこにだって夜が明ければかならず陽は昇るよ?陽の昇ることのない森なんてそんなところあるはずないよ。それでも探しに行くのかい?」
道を歩きながらダリルが話しかけてきます
たしかにそうです
王女様もダリルも雨や曇りの日以外、お日様が登らなかったことなんて見たことがありません
でも、あまりの喜びに興奮した王女様はそんなのお構いなしです
「それはこの国だけの常識かもしれないわ
だってなんども読んだ本には虹が地面に落ちたような大地や、一面鏡のような海が確かにあったって書いてあるもの
私たちが知らないだけで、探しに行けばきっと知っている人がいるはずよ
ずっと東というのはわかっているもの。とにかく、そっちに向かえばいつか手がかりがみつかるわ」
王女様は持ち出してきた勇者の日記を宝物のように抱きしめ、エメラルドグリーンの瞳をキラキラさせながら、これまで飽きるほど読んだ不思議な景色を紹介する本について語るのでした




