旅立ち
国を出るのは拍子抜けするくらい簡単でした
毎日、越えられるわけがないと思って眺めていたはるかに高いと思っていた城壁も、なんてことありません
だって、お庭を知り尽くしたダリルがお仕事をこっそりサボるときにつかっていたお外に出るための秘密の抜け道を教えてくれたのですから
王女様は、言わずもがなこの国の「お姫様」です
城の中はある程度自由に歩き回れはするものの
市街ですら国王様と王妃様の視察で付いて行った時の馬車から見る景色が全て
それがよもや、国の外を自分の足で歩けるだなんて…!
感情を押し殺すことに慣れていた王女様でもこの時ばかりは大興奮です
「気持ちはわかるけど、王女様、このひどい風では誰かに気付かれてしまうよ」
どうやらダリルはお父さんの目を盗んではちょくちょく国の外の森に遊びに出ていたようで、慣れっこです
「だって、ダリル、国の外なんて夢みたい!お外って、こんなにでこぼこ道で、草もぼうぼうにはえてる!鳥の声ももっとよく聞こえるわ!」
お城と自分の国しか知らなかった王女様
それでも自分では広いと思っていたのに、こんな自由で広くて匂いも違って、新しいことがいっぱいの国の外がもう、開けたことがない宝箱のようでもうわくわくがとまりません




