僕の変な妹
僕、アドニス・エアリーには妹がいる。
だけど、他の家庭のように仲良く遊んだりしたことはない。
妹、ロレッタもそれに対して何も言ってこなかったし、僕が学園に入学するまでずっとこの生活が続くのだと思っていた。
だけど、その日常が壊れるのは一瞬だった。
急にロレッタが部屋に入ってきたと思ったら、遊びたいと駄々をこね始めたのだ。
度々使用人が話す内容から推測するに、ロレッタは大人しい性格なはずだが、何せ話したことも数える程しかないのでそれすらも分からない。
それでも、仲の良い家族の物語に憧れがあった僕に妹を拒否することは出来なかった。
外に出るのは嫌いだったけど、ロレッタが手を繋いでくれるのが嬉しかったから散歩が大好きになった。
習い事なんて苦痛でしかなかったけど、その後にロレッタと遊ぶということを考えたら頑張れたし、時間もあっという間に過ぎた。
あの日から僕の日常は輝かしいものに変わったのだ。
「お兄様!」
「今度はどうしたのさ」
「大好きです!」
「......だから冗談は休み休みに言ってっていつも言ってるでしょ」
「だからいつも冗談じゃないと言ってるじゃないですか」
そう言っていじける妹の頭を撫でるとくすぐったそうに目を細める。
「お兄様の撫で方大好きです!」
「......もっと上手く撫でてくれる人はいるでしょ」
「そうじゃないです!お兄様だから好きなんです!お兄様じゃない人が同じ撫で方をしてもお兄様の方が好きです!」
自分でも分かるぎこちない撫で方を、ロレッタは好きだと言ってくれる。
でもこのわがままお嬢様のおかげで、近いうちに撫でるのが上手になっている気がする。
その時は今よりたくさん撫でてあげるから覚悟して待ってなよ。




