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スペースセンチュリープライマリースクール  作者: 林 広正
第一章 四人の出会い
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作戦

 当然だけど、この広い宇宙を旅するには、ワープをしなければ隣の銀河に行くのにさえ数十年かかってしまう。最速の戦闘機を使用してもだよ。だから当然のように誰もがワープを多用するんだけど、この宇宙はとても広いから、敵の艦隊や空母がどの位置にいるのかをピンポイントで探し当てることは難しい。

 だからあの日、あの場所に連合軍の艦隊が現れたことは、奇跡か陰謀かのどちらかとしか言いようがないんだ。

 結果は確実に陰謀だって僕は思っていた。けれど最近になって知った真実は、予想外だった。あれは僕の母親が仕掛けた罠によって現れた艦隊だったんだ。

 父親が先頭に立って艦隊に飛び込んで行くことは、最初から決まっていた。母親が仕掛けた罠も、父親の作戦の一部だったんだ。父親は、当然死を覚悟していたはずだ。とは言っても、死ぬつもりで立てた計画じゃなかった。結果として死んでしまい、その死が勝利へと導いたんだ。

 僕は、そんなことは露とも知らなかった。空母の中の保育学校で、友達や先生と遊んでいたんだ。作戦決行の真っ只中にね。それは決して特別なことじゃない。戦いと教育は、共存しているんだ。

 本拠地としての艦隊が現れたのは、空母から発せられる信号を艦隊が掴んだからだ。もちろん罠だった。けれど艦隊側には、それが罠だと気がつかれない工夫をしていたそうなんだ。

 作戦が発動したのは、決行の三年も前の話だったらしい。僕がまだ、一歳だった頃だよ。つまりは僕の父親は、その頃から死を頭に感じて生きていたってことになる。その作戦に自らの死は描いていなかったとしても、危険な作戦であることに間違いはないからね。もっとも、戦場で生きているいじょう、死は常に隣合わせでもあるのだけれど。


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