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スペースセンチュリープライマリースクール  作者: 林 広正
第一章 四人の出会い
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四人組

 カオンの事件により、僕たちは四人組になったんだ。その絆は、確かに深まったんだけど、それはまだ、三対一の構図であることは否めなかったよ。それは仕方がないことなんだ。絆っていうのは、一緒にいる時間の長さも関係するからね。長くいればいいってだけじゃないけれど、同じ関係性の中でなら、時間の長さは影響する。まぁ、付き合いが長くなるにつれてそんな時間差なんて意味がなくなってしまうんだけど、このときはまだ、トゥーリとの時間は短かったからね。

 けれど後日、その距離をグッと縮める事件が起きたんだけど、その話はまた今度だよ。なぜかって、その冒険はとてもスリリングで、話せば長くなるからだよ。僕の気分がいいときにでももう一度こんな長話に挑戦したいと考えているよ。まぁ、リクエストがあればすぐにでも語り出すんだけどね。

 ある日トゥーリは、なんの前触れもなしに突然倒れてしまったんだ。いつものこの場所でね。僕たちには訳が分からなかったよ。本当に突然だったんだ。

 まずは大慌てで治療をしたけれど、なにをしても効果がなかった。僕の力が通じないんだ。それで僕たちは、トゥーリを医務室まで抱えて行った。

 意識を失っているだけで、トゥーリは生きていた。特に身体的な異常も見当たらない。けれど、トゥーリが目覚める気配は感じない。つまりはお手上げってわけだ。

 僕たちは、ミカを頼りに新興軍のお偉いさんに話をしたんだ。その人は、自分では分からないが、半魚族の知り合いに聞いてみると約束してくれたよ。

 その結果、トゥーリの病気が判明した。ウニクルビと呼ばれるヴェシでも珍しい病気だそうだ。命を直接奪うことはないが、意識そのものを奪ってしまうため、結果としては死んだのも同然なんだ。栄養を与え続ければ命は繋げられるけれど、それでいいのかは分からない。

 とは言っても、ヴェシの海底には特効薬がある。ヴェシの海でしか育たない海藻で、手に入れるためには深い海に潜らなければならないんだけれど、それしか意識を取り戻す方法がないんだから仕方がないよね。僕たち三人は、トゥーリを助けるためにその海藻を求める冒険をしたんだ。


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