カッカ
これをやった犯人が分かったんだよ。とても危険な奴なんだ。僕たちはてっきり、ミカが襲われていると考えていたんだけど・・・・
僕がそう言うと、ミカの顔が突然固まり、青ざめた。どうした? そんな僕の声は届いていない。ミカの視線が、僕の背後斜め上に向けられていた。
僕は振り返り、ミカの視線の先に目を向けた。そのつもりだった。けれど僕は、違う場所に目を向けてしまった。それは、僕の隣で全く同じ行動を取っていたモネーもだ。自分たちが飛び越えた窓から顔を覗かせるアピナとセイナを見留てしまったんだよ。
しかし、アピナにはミカの視線が自分に向けられていないってことが分かり、その視線を追うように、顔を空に向けていた。
いやがったぞ! アピナの叫びに、僕とモネーもようやくその視線を上げ、壁に張り付く変化したと思われるカッカをこの目にした。
その姿はコウモリのようでもあるが、羽の生えたトカゲのようにも見えたよ。実際そっちに近いと思うよ。カッカは、その羽を使って飛んだりはしなかったからね。
カッカは屋上に向かおうとしていた。僕とモネーはミカにここで待っていてと言い、屋上へ向かって走り出した。ミカは素直に頷いた。




