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動揺
教室に戻ると、そこにはミカの姿がなく、誰かが暴れた様子もなかった。僕は誰にともなく、カッカを見なかったかと聞いた。しかし、誰もなんの反応も見せない。僕はイラつき、おかしな化け物を見なかったかのか! そう叫んだ。それでも教室内は、静まり返ったままだった。
仕方なしに僕は、再び走り出そうとした。目標なんてなくとも、じっとしてなんていられない。とにかく見つけ出さなくちゃと、そのことしか頭になかった。
ミカを見なかったか? そう聞いたのはモネーだった。僕はバカだよな。ミカを助けたいんだ。そう尋ねるのが先だよなって、今では思う。
ミカなら外じゃないかな?
誰かがそう言った。
ほら、そこであなたたちの荷物を片付けているわよ。
窓の外に顔を覗かせている。
僕とモネーは、その誰かの頭を飛び越え、外に出た。三階の教室だったけれど、それがどうした? 僕とモネーは、しゃがんで片付けをしているミカの脇に着地をし、よかった・・・・ そう言い、抱きしめた。
突然現れた男二人に、突然抱きしめられたミカは戸惑っていたよ。どうしたのよ? その言葉が揺れていた。




