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スペースセンチュリープライマリースクール  作者: 林 広正
第一章 四人の出会い
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犯人

 当然僕たちはアピナが犯人だと思い、探し回ったよ。どこ行きやがった! 学校中を走り回ったが、アピナの姿は見えなかった。

 突然動き回ったせいなのか、モネーはお腹が痛いと言い、トイレに駆け込んだ。しかし、入り口で立ち止まる。

 どうしたんだよ! 僕もトイレの中に入ろうとしていたんだ。だから突然立ち止まったモネーの背中に追突した。

 静かにっ! モネーはそんな言葉を少し大きく口にした。なぜだか僕の口を塞ぎながらね。

 中に誰かいるんだよ。なんだか怪しげな話をしている。

 僕はそっと、トイレの中に足を踏み入れた。モネーは僕の後ろで、やめとけよと、囁きながらもついてくる。

 この声はアピナのだぞ。僕は足を止め、その声だけに集中した。モネーもそれに倣い、動きを止める。その声は一番奥の個室から聞こえてくる。

 こんなことになっちまったけど、どうすればいいんだ? 俺は悪くないからな。あいつが本当にそういう人種だとは知らなかった。どうする? このまま知らん顔ってわけにはいかないよな。

 けどどうするんだよ。僕は分からないよ。

 セイナの声が聞こえてきた。

 おい! 今なにか聞こえなかったか? 外に誰かいるんじゃないか?

 アピナがそう言った途端に、僕とモネーは顔を見合わせ、物音立てずに後退った。

 おい! 誰かいるのか! ドアが開く音とアピナの怒鳴り声が聞こえたけれど、僕とモネーはすでにその場を去り、廊下に出ていた。アピナとセイナは足が遅い。追いかけられる心配はないと感じ、ゆっくり様子をうかがうことにしたんだ。トイレの入り口からは見えない場所に隠れてね。

 誰かに聞かれたのか? どうする? あいつをどうにかしないと、先生にバレたら俺は殺されちまうかも知らないんだぞ!

 先生にバレなくても、殺されるかもよ。

 クッソ! どうすればいいんだよ!

 アピナがセイナの肩を殴っていた。僕はその様子を見て、おかしな点に気がついたんだ。いるはずのもう一人がいないんだ。アピナたちはいつだって、三人で共に行動していた。

 そうなんだ。カッカの姿が見えなくなっていた。僕はすぐに、アピナが言うあいつが誰なのかに気がついたよ。


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