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スペースセンチュリープライマリースクール  作者: 林 広正
第一章 四人の出会い
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ヴェシ

 半魚族はこの星を発見した連合軍の支配下に置かれることになったんだけど、今ではこの星を支配しているのはシェルが加盟している革命軍なんだ。僕はこの街で生まれた、新世代のシェル人とも言えるんだよね。

 半魚族はとても義理堅い。この星を革命軍が支配した後も、決して連合軍を裏切らなかった。革命軍がこの星を占領した理由は様々あるけれど、半魚族への虐待も理由の一つだっだ。連合軍は、半魚族を奴隷として扱っていた。しかも、この星の半魚族にはその事実を隠し、外の星で売り捌いていた。この星で暮らす半魚族は、真実を知らずに連合軍に味方をしている。こうして事実上の支配を解かれた今になってもね。

 革命軍がこの地の連合軍をやっつけると、連合軍はあっさりと半魚族を見捨てたんだけど、それでも半魚族はまだ、連合軍への加担をやめていないんだよ。具体的にどうとかは分からないけれど、革命軍を敵視していることに違いはない。

 革命軍の支配は、自由だ。半魚族を無理矢理に支配下に置いたりはしない。ただ、この星の陸上部分を支配しているだけだ。それも、切り開かれた一部分だけをね。半魚族との争いも、今のところは一度もない。互いの領地を侵さず、触れ合わずに生活をしている。

 とは言っても、それは僕たち一般市民にとってはの話で、お偉いさんたちの間では、色々な条約が結ばれているようなんだ。半魚族のあいつが引っ越してきたのも、そんなお偉いさんたちの都合なのかも知れない。

 ヴェシ。それがこの星の名前なんだけど、それは半魚族の言葉で水を意味する。革命軍の誰かが、半魚族に敬意を評して名付けたんだ。半魚族の住人は、その言葉を気に入った。争いが起こらない理由はそこにもある。

 革命軍は、争いを好まない。だからきっと、連合軍のあいつはここでもうまくやっていけるだろうと僕は感じている。


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