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スペースセンチュリープライマリースクール  作者: 林 広正
第一章 四人の出会い
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トイレ

 僕とモネーは、どちらから言い出したわけでもなく、同時にミカを追いかけて行った。モネーはその際、アピナにぶつかり、アピナを吹っ飛ばしていた。なかなかにいかしたその歌が、終了した。アピナの叫び声が、背中にぶつかる。

 追いかけたとは言っても、流石に僕とモネーは、女子トイレの中には入れない。トイレの前で、ミカに叫んだ。

 昨日はありがとうな! あのままだと僕の身体が燃えていたかも知れない。助かったよ。

 僕の言葉に、ミカからの返事はなかった。

 俺は別に気にしていないぞ。女の涙は初めて見たけど、美しいって感じたよ。

 アピナの言葉には、ミカは反応した。

 うるさいわよ、バカ!

 ミカの声はもう、泣いてはいなかった。

 それから少しの間を置き、ミカがトイレから出てきた。

 こんなところで女の子を待ち伏せするなんてよくないわよ。

 ミカはそう言ったが、笑顔を浮かべてもいた。

 三人で教室に戻ると、僕とモネーの席が、なくなっていた。置いてあった荷物もなくなっている。

 僕はすぐにアピナを探した。しかしアピナは、教室内にはいなかった。

 あの野郎! なんて大声を出していると、クラスの女の子が、あそこだよと、窓の外を指差した。僕たち三人は慌てて駆け寄り、窓を開けて、外を覗き込んだんだ。そこには粉々に砕けた机と、中身の散らばった僕とモネーのカバンが見えていた。


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