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スペースセンチュリープライマリースクール  作者: 林 広正
第一章 四人の出会い
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 モネーが引っ越して来たのは、アピナが越して来てから数ヶ月が過ぎた頃だった。転校生のやってくる感覚がそんなにも開くのは、この学校じゃあ珍しいことだ。少し大袈裟だけど、毎週のように新しい誰かがやって来ては、古い誰かが消えて行く。入れ替わりの激しい学校なんだよ。

 ミカとアピナたちとの喧嘩を背中で聞いていた僕とモネーは、どうしよかって悩んでいる風の表情をお互いに浮かべたけれど、結局はなにもしなかった。

 すると次の日、教室の壁にミカとモネーが愛し合っているとの表現をした絵が描かれたんだ。直接的ではないけれど、誰が見ても分かる愛を表現していた。

 それを見たミカは、泣き出した。流石は地球人だよな。その場で涙を見せたんだ。この宇宙の人間で、赤ん坊以外が人前で涙を見せる人種は地球人くらいだよ。

 僕たちだって泣きたくなることはある。大抵は家で一人のときに泣くんだ。中には学校のトイレに飛び込んで泣いている誰かもいるけれど、そういうのは珍しいよね。

 涙を流すミカを見て、モネーが怒りを爆発させた。本人は今でも否定しているが、あんなことをするのはアピナたちしかいないって僕も思っている。アピナたちが嫌な奴かどうかは別にして、他の奴であんなことをしそうな奴が見当たらないんだよ。前日に大声で言い争っていたし、まず間違いはない。アピナのことだ。恥をかかせやがってとでも感じたんだよ、きっと。

 モネーは真っ直ぐアピナの前に立ち、殴った。あの巨体が倒れたんだから、驚くよな。


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