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スペースセンチュリープライマリースクール  作者: 林 広正
第一章 四人の出会い
33/60

準備期間

 地球人は最初、政府軍の申し出を全て受け入れた。とは言っても、その星での三ヶ月間の期間限定でね。

 三ヶ月の間で、地球人は宇宙文明を学んでいたんだ。はいはいと言うことをなんでも聞き、したたかにこの世界の秩序やらなんやらを学び、自らの立ち位置を模索していたってわけだ。引っ越してきてからのミカのようにね。

 ミカは子供でしかも一人きりだったから、二年の歳月が必要だった。

 準備期間を終えた地球人は、ミカと同じように政府軍に不満をぶつけたんだ。その口調や態度が違うのは当然だよ。けれど、その反撃によって、新たな立場を得た点はそっくりなんだよ。地球人は地球軍を創設し、政府軍とともに連合軍の一部を倒した。そのときに、大型の光線銃も一台破壊している。そして政府軍から独立をして、一度は新興軍の設立に関わったものの、結果として革命軍に所属をしている。ハッキリとした意見を述べ、それなりの地位を得てもいる。

 地球人のその彼女は、いじめられていた相手に対して、特に仕返しはしなかった。自分の意見を通して、対等に接しただけだ。決して理不尽な要求には応じず、自分の立場を確立させていった。それが地球人の得意とするやり方だよ。

 アピナたちに楯突いたミカも、決して権力には屈せず、対等な立場を崩さなかった。アピナたちがどんな言い訳でその場を誤魔化そうとしても、それまでに鋭い観察を続けていたミカには通じない。

 あんたたちって、つまらなすぎるわね。ミカはそう言い、アピナたち三人の頭を引っ叩いた。

 ふざけるなこの野郎! そう言ったのはカッカだ。

 なんなんだよ! 涙声でセイナが言った。

 おっ・・・・ おまっ・・・・ アピナの声は言葉になっていなかった。

 なにか文句があるなら、私があんたたちを燃やすわよ。いいわね! ミカがそう言った。カッカはなんだか意味の分からない暴言を吐いていたけれど、セイナは絶句していた。アピナは慌てて二人を引っ張り、逃げ出した。

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