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スペースセンチュリープライマリースクール  作者: 林 広正
第一章 四人の出会い
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ムルタ人

 スティーブと宇宙人との出会いは、この宇宙を変えるきっかけになった。最初はそれ自身に意思があるとは感じなかった。この広い宇宙には、様々な容姿の人間がいるだろ? その探査船に人格があることに気がついた人物は、それが一つの命なんだと感じたそうだ。

 その人物は、ムルタ人だ。セイナと同じ星の人間だけど、革命軍ではなく、政府軍に所属している。ムルタっていう星には、多くの人種が存在している。地域によって環境が激しく違う星なんだ。それぞれの地域に合わせ、進化をしている。

 スティーブと出会ったその宇宙人は、クオナという名のマグノ族だった。ゴツゴツした丸型体型で、そのままの姿で宇宙空間を生きていられる珍しい種族でもある。マグノ族の作り出す宇宙船は特殊で、その見た目は隕石によく似ている。個人乗りから大型船まであり、バリアを張り巡らせると、密偵に最適なんだ。それは今でも重宝されている。

 マグノ族は、政府軍に所属している。ムルタ人は、種族間によって所属する軍が違っているんだ。しかし、今のところではあるけれど、連合軍に所属している種族は存在していない。

 クオナとの出会いが、スティーブにとって初めての地球外生命体との出会いだった。定期的に地球へと情報を送信していたようだが、このときに初めて、緊急時用の連絡を送っている。

 しかし、これは後になって知り得た情報だけど、当時の地球では、スティーブを送り出した時点とは時代が変わっていたため、その連絡を受け取りはしたが、すぐには解読できなかった。

 とはいえ、それがきっかけとなり、地球人との交流が始まった。

 スティーブとの出会いから実際に地球人と出会うまでには、十数年を要しているんだけど、その後の展開は早かった。地球人は転送ができるからね。連絡さえ取れれば会うことは簡単だった。ワープするよりも早いんだから。

 その展開についての詳しい事情は、学校で勉強することになっている。宇宙の歴史の中でも重要な分岐点の一つにされているんだ。それを習うのは六年目になってからなんだけど、一般的な家庭に育っていれば連合軍側の子供でも知っている話なんだよね。

 けれど世間っていうのは案外と嘘つきだったりもする。子供を騙すような嘘が平気でまかり通っているんだ。まぁ、大抵は愛のある優しい嘘なんだけどね。


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