ラウタ族
セイナはムルタって名の星のラウタ族だ。ラウタ族もまた、革命軍だ。僕はこの三人と将来同じ革命軍の同志として連合軍と戦うのかと考えると、不安しか感じなかった。
お前たちさ、俺に文句が言いたくて来たんだろ? さっきからずっとマッティにばかり話しかけてるけどさ、頭悪いのか? それとも目が悪いのか?
モネーのその言葉に、アピナの表情が一変した。僕はてっきり、怒り出すのかと思っていたんだ。けれど、そうはならなかった。アピアの表情は、怯えていた。毛むくじゃらの顔の中にある小さな瞳が震えていたよ。どうかしたのか? って僕は思わず声を漏らした。
うるせいな、俺たちはマッティと話してるんだよ! アピナが小さな声でそう言うと、そうだそうだと背後の二人が声を出した。もう行くぞ。アピナがそう言い、三人はどこかに消えて行った。去り際に小さな声で、夜道には気をつけるんだぞと、三人の誰かが叫んでいた。そういうことをするのはきっと、カッカしかいないなって思ったよ。
あいつらになにかしたのか? 僕がモネーにそう聞いた。
俺はなにもしてないよ。あのちっちゃいのがちょっかい出してきたんだよ。いきなり俺に向かって突っ込んで来たんだ。廊下を歩いているときにな。後で知ったんだけど、小便が漏れそうで慌てていたらしい。
なんだよ、それ? じゃあモネーはカッカの全身の姿を見たのか?
それって凄いことだと思ったよ。まぁ、それを見たからといって、特に羨ましくはないんだけどね。
あのちっちゃいのは俺にぶつかると、倒れて小便を漏らしていた。怪我なんてしてたのか? さっきは大袈裟に足を引きずっていたけど、包帯も頭に巻いていただろ? あんなの大嘘だよ。小便を漏らした後、あのちっちゃいのはな、走ってどこかに逃げて行ったからな。訳の分からないことを叫びながら。
そいつは愉快な光景だなと、僕は言い、笑った。モネーもまた、声を出して笑っていたよ。膝を両手で叩きながらね。
その日から、僕とモネーはずっと一緒にいるんだ。




