野次馬
この学校には、四百人ほどしか生徒がいない。年齢ごとにクラスが分かれていて、僕のクラスでは、当時はモネーが四十七番目だった。入学した順番に番号がつけられているんだ。僕は一番だよ。このクラスで、十一歳の頭から通っているのは僕だけだ。ミカは一年後で、二十九番だよ。
その番号は、間が抜ければ詰まっていく。僕も最初は七番だったんだ。ミカは入学してきたときには五十番だった。モネーも同じく五十番だったはずだよ。
モネーは僕の隣の席に座った。席は自由に選べる。僕はいつも、一番前の真ん中の席に陣をとるんだ。そこが一番自由なんだよ。
僕の隣には誰も寄ってこない。授業中はね。その席に人気がないのは不思議だよ。先生が目の前に立っているのは、色々と便利なんだよね。分からないことを聞くこともできるし、授業とは関係のない本を読んだり、居眠りをしていても意外とバレないんだ。
そんな僕の隣に座ったモネーは、チラッと僕に顔を向けただけで、特に言葉は発しなかった。
隣に座るモネーは、話しかけてはこなかったが、何度も僕の顔を覗いていた。なんだよって思いはあったけれど、口にはしなかった。
その日、休み時間になると、僕の周りは野次馬で一杯になった。普段はない光景だよ。話しかけに来る誰かはいても、多くても日に一人か二人だからね。
集まった野次馬の中心は、おかしな奴らで、なぜだか僕にだけ話しかけてくる。モネーのことなんてまるで見えていないかのようだった。今のトゥーリを見る目と同じだよ。周りの奴らは、先生が紹介をするトゥーリに顔を向けてはいるけれど、視線はその後ろに飛んでいる。つまらないことをするよな。




