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スペースセンチュリープライマリースクール  作者: 林 広正
第一章 四人の出会い
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義務

 政府軍の人間っていうのは、ちょっとばかし傲慢なんだ。自分たちが宇宙の中心だと思っている。まぁ、実際に政府軍が中心となって宇宙世界を動かしていたこともあるけれど、今は違う。それでも傲慢さを消すのは難しい。モネーにもやっぱり、そんな気質は備わっているんだ。まぁ、あれでも他の連中に比べれば全然ましだったりするんだけどね。

 僕たちの学校では、転校生の挨拶が習慣になっている。学校全体の集会で、みんなの前に立って自己紹介をするんだ。その際モネーは、自らを政府軍の人間だと名乗った。

 基本学生は、どこの軍にも属さない。親がどうとかは関係ないんだ。けれど、それは建前であって、親の立場の違いによっての差別は多く存在している。政府軍の人間だと名乗ることで、自分には敬意を払えとの意味があるんじゃないかって、聞いている側には感じられるんだ。

 僕たちが通うこの学校は、十一歳から十七歳までが集まり、勉強をしている。宇宙の歴史や、戦争のための訓練をしたり、戦争だけではない生活に役立つ物作りの勉強なんかもしている。宇宙言語は今や共通しているが、過去の言葉を学んだりもしている。七年間の勉強で、僕たちは大人になるんだよ。

 十歳までの僕らは、家庭内で基本的なことを学んでいく。空母での学校のように、なにかを学ぶ場所はいくつもある。しかし、そんな勉強なんてしなくても、この学校での七年間があれば、社会へと出ていくのに不自由はしない。この宇宙では、七年間の学校だけが義務なんだ。金銭的な義務は別にあるんだけど、教育としての義務はこれだけなんだよ。


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