表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スペースセンチュリープライマリースクール  作者: 林 広正
第一章 四人の出会い
19/60

アラストン人

 モネーは純潔のアラストン人ではあるが、アラストン人の故郷であるホアタンで生まれたわけではない。

 ホアタンは今、自然を取り戻している。人間が暮らせる余地が、そこにはないんだ。極端な開発を行った結果、自然に負けてしまい、その地を離れることになったんだよ。人間でさえ暮らせない土地に変えてしまったんだ。けれど、自然の力は強い。人間が暮らせない環境に、いとも容易く適応したんだ。そして結果として、人間を追い出したってわけだよ。

 自然に人間は敵わない。それはこの宇宙の常識だよ。地球人もまた、自然を破壊し、自然に追い出されている。その結果、消滅っていう最悪の結果になってしまったんだけど、その原因は自然にはなく、人間側にある。自然消滅するにはまだ、地球は若過ぎた。

 自然っていうのは、当然だけどその環境によって姿を変える。ホアタンの自然と地球のそれとではまるで違うんだ。もちろん、シェルのそれともまるで別物の自然だよ。まぁ、似たような自然も宇宙には多く存在もしているんだけどね。

 アラストン人は連合軍の一員であるタンラン族の星を占領している。政府軍の中ではもっとも好戦的で、基本は武力での解決しか考えていない。今の共同部隊はそのアラストン人が仕切ってはいるが、革命軍の力が強いため、一時的な休戦になっているともいえる。アラストン人の力が強くなればまた、闘いが激しくなることだろう。そう言われている。

 この戦争では、休戦中とはいっても、宇宙の至る所で闘いが行われている。休戦中っていうのは、形式上の話に過ぎない。しかし、その形式があるおかげで、大きな戦いは起きていない。休戦協定が結ばれ、確かに死者は減っている。それだけでも意味があるって思うことはあるよ。

 タンラン族の多くはその星を離れているが、アラストン人の奴隷として残っている者もいる。

 タンラン族のその星は、タッケーと呼ばれている。タッケーは緑が豊かな星で、アラストン人は緑を好む傾向にあるんだ。その身体が無機質だから、その影響かも知れない。故郷であるホアタンにも環境に適さない緑を取り込み、その自然を壊してしまったんだ。ホアタンの自然は、アラストン人の肌同様に無機質なんだよ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ