モネー
私は見たのよ。トゥーリは立派に戦っていたわ。本当に強いんだから、ビックリしたわよ。モネーなんか、あっという間にやっつけられちゃうわよ。
そんなミカの言葉を聞いて、モネーはムッとする。
半魚族が強いってこともその姿もみんなが知っている。とは言っても、実際に自分の目で半魚族の姿を見た者はとても少なかった。今日この日まではね。
僕たちは、その姿を画像として見ていただけだ。遠目から見たっていう噂が学校中に流れたことは何度もあったけれどね。こうして目の前で半魚族を眺める日が来るとは想像もしていなかったよ。
おじいちゃんがまだ生きているから、うちでは見られるんだよね。
ミカがそう言った。
こういうとき、地球人のシステムは便利だよな。俺も地球人に生まれればよかったよ。
モネーがそう言うと、あなたは地球には不向きよ。なんてミカは言う。確かにそうかも知れない。アラストン人はとても無機質な身体をしている。ツルツルな肌は冷たく、地球人の柔らかさとは正反対だ。まるで宇宙船の一部のようだとミカはよく言っている。
地球には俺たちによく似た奴らもいたって前に言ってただろ?
それは前にも言ったけど、ロボットのことよ。
なに言ってるんだよ! ロボットの画像見たけど、俺とは似てなかったぞ!
モネーが見たのは古いのよ、きっと。大昔のロボットしか見てないからそう思うのよ。地球のロボットはね、大きな変化と進化を繰り返していたの。今度その画像を見せてあげるわ。
僕はそれを見たことがある。モネーがこの学校に来たのは二年前で、それ以前には政府軍の本拠地がある星に暮らしていた。ヴェシは共同部隊の本拠地ではあるが、支配は革命軍であり、それぞれの軍の本拠地は別にあるんだ。