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スペースセンチュリープライマリースクール  作者: 林 広正
第一章 四人の出会い
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事件

 ミカが言う事件には心当たりがある。トゥーリが引っ越してくる一週間前のことだ。ずぶ濡れの婆さんがこの星唯一の街で発見された。命に別状はなく、ボンヤリとだが意識もあった。

 同時に同じ街の別の場所で、若い男が二人、道路の真ん中で倒れているのを発見された。

 婆さんは、意識がはっきりし出すとすぐ、悪いのはあの若造二人組なんだと言った。襲われているところを助けてもらった。とても感謝していると。

 その助けてくれた誰かが何者なのか、婆さんは分からないと言った。

 実際には、地上で暮らす人間じゃないことはその見た目から感づいていたはずだ。海から上がってきた瞬間は目にしていなくても、半魚族がどんな姿をしているかくらい、この星で暮らしていれば知っているはずだからね。

 半魚族との接触は、僕たち一般の地上人には基本的には禁止されている。危険だからとの理由もあるようだけど、どうやら外交上の問題らしい。半魚族側から、過度な接触はしないでほしいと言われているそうだ。

 この星には様々な人種が暮らしている。そのことによる差別は、社会全体としては存在しないと言ってもいい。子供社会では別なんだけど、その話は後程に嫌という程出てくるよ。

 しかし、半魚族に対しては少し話が違う。幼い頃から半魚族の姿を教わり、決して近づいてはいけないと言われている。大人になってこの星に移住してきた者も一様に、半魚族との交流を禁止されてきた。

 そんな半魚族のあいつが、この教室にやってきた理由は分からない。

 そんな半魚族のあいつを婆さんが守ろうとした理由も分からないよな。その特徴的な半魚族の姿を見て気づかないはずは絶対にないんだから。

 しかし、若者二人までもが、誰にやられたのかを分からないと言ったんだ。その理由も分からない。けれど、半魚族がやったことも若者二人がやったことも、すぐに明らかにされたんだ。

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