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スペースセンチュリープライマリースクール  作者: 林 広正
第一章 四人の出会い
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転送

 シェルにも宇宙人は大勢やってきていた。もちろん宇宙船を使ってだよ。人間だけでのワープは、地球人が発明をしたもので、当時のこの世界ではあり得ない技術だったんだ。今でも一般的ではない。その理由は、この宇宙では、大抵の星にバリアが張られているからだ。宇宙船についても同様で、ワープでの移動はあくまでも宇宙空間内での話なんだ。バリア内でのワープはできない。

 人間だけのワープを、地球人は転送と呼んでいた。どんな空間でも一瞬で移動できるのは便利だよ。食べ物や荷物だって移動できる。けれどそれは、この宇宙では危険すぎる。突然目の前に連合軍の奴らが現れたらどうする? しかも武器を所持していたら、戦争に利用されたらたまったものじゃないんだ。だから基本、人間のワープはできないように制限されているんだ。現実はまだ、宇宙空間以外にもバリアの張られていない地域も存在しているんだけど、そんな地域での戦いは今のところは行われていない。そうなったら、その戦いは危険すぎるよ。少しの魅力はあるから、いつかそんな物語を書こうかと考えてはいるんだけどね。

 ミカってさ、トゥーリのこと好きなのか?

 モネーがそう言った。そういえばミカは、引っ越してきたその日からトゥーリと話をしている先生以外の唯一の存在だった。

 そういう言い方って差別だよ。同じ人間でしょ? 好きとか嫌いとか、それ以前の問題だと思わないの?

 ミカのその言葉は、正しすぎる。確かにそうなんだ。好きだから会話をしたとか、トゥーリが連合軍の一員だからとか、そんなつまらないことで人を嫌ったりするから戦争が起こる。

 そんなことは分かっているんだ。けれど僕たちは、特にモネーには、そんなつもりなんてない。差別の意識なんてなく、単純にミカがトゥーリを好きなんじゃないかって嫉妬をしているだけなんだから。

 それよりさ、なんでトゥーリはこの学校に来たのかな? ここは基本、共同部隊の関係者の子供しか通えないんだろ?

 と言うか、この星には今、半魚族を除いては共同部隊の関係者しかいない。ここはそんな関係者のために作られた特別な学校でもある。


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