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スペースセンチュリープライマリースクール  作者: 林 広正
第一章 四人の出会い
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甲殻人

 マッティってさ、甲殻人にしては柔らかい頭よね。お母さんに聞いたんだけど、甲殻人の頭を叩いたらどんなによくても骨折はするって言われたわよ。

 それこそ差別じゃん! そうは思ったけれど、口には出さなかった。

 今の世界では、甲殻人の存在はとても珍しいんだ。少し前までは地球人も珍しかったんだけれど、今ではあちこちの星に散らばっている。地球人は、繁殖力が凄まじい。この星ではまだまだ珍しい部類ではあるけれどね。

 甲殻人の頭が硬いっていうのは、大昔の話だよ。まだこの宇宙に、シェルが存在していた頃に生まれた甲殻人のことを言っているんだ。環境が変われば、性質は変化する。地球人だってそうだ。以前は弱々しかったその見た目が、今では戦士のように逞しい。武器を使わない格闘では、地球人が宇宙で一番強いんだよ。柔術を宇宙に広めたのは地球人だしね。もともと肉体的にも精神的にも素質はあったんだけど、それが宇宙の空気に馴染んだんだ。

 けれど、宇宙に飛び出した当初の地球人はまだまだ全然弱かった。柔術だって、今のそれとはまるで違う。恋人同士がいちゃついてるようなものだった。それが今では、宇宙のどんな種族に対してでも有効な格闘術になったんだよ。柔術の達人は、甲殻人の頭をも割れるって噂もあるくらいだ。まぁ、所詮は噂に過ぎない。肉体的強さで甲殻人に敵う人種はいないよ。以前のような硬さを失った今でもさえね。


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