転校生
連合軍の息子が引っ越してきた。これって、事件だ。
僕たちのクラスには、これまでは新興軍と革命軍、政府軍の子供しかいなかった。連合軍は敵であり、子供同士だからといって、一緒の空間で生活をするなんて有り得ないことだ。
政府軍に遥か遠くの銀河からやって来た地球軍が加盟をし、その娘がこの学校に初めてやって来たときも、それは大変な事件だったらしい。地球人は、その見た目が異様で、野蛮だからね。まるで獣のようだと忌み嫌われていた。
けれど僕には、そんな地球人が可愛く感じられている。獣にしては、その見た目も中身も中途半端だからね。
地球人は、その肌がツルツルしている。しかし頭や顔の一部分、身体の関節部分などには大量の毛が生えている。そこが僕との大きな違いだ。
僕の肌はとても硬くてゴツゴツしている。毛なんて一切ない。まぁ、僕たちにはカツラをかぶる文化があるから、ほんの少し地球人と似ているとも言える。
この硬い肌は、敵からの攻撃を守る意味があったんだけど、それは遠い昔の話だ。今ではこの肌を貫通する武器は多い。素手やちょっとした武器での戦いは、過去の遺産となっている。