仁藤清磁のクリスマス数日前
割り込みで後から追加した話です。
世のカップルが愛を囁き合う聖なる夜、その何日か前のこと。
夕食も入浴も済ませたおれと新菜は、リビングのソファに並んで座り、テレビを見ていた。新菜はシャンプーの香りを漂わせながら、おれの左腕に自らの右腕を絡ませ、こっちに体を預けている。
「この時期になると、ニュースもクリスマスのことばっかりだね」
取り沙汰されているクリスマス商戦の報道を見て新菜が言う。
「そうだなあ……そういえば、新菜って何歳くらいまでサンタさん信じてた?」
「うーん……よく覚えてないんだよね。信じてた記憶はあるんだけど、でも物心ついた頃にはお父さんが自分から『プレゼント何がいい?』って訊くようになってたし……清磁くんは?」
「おれはそもそもサンタクロースの存在を知ったのが5歳の時だったから、元々クリスマスプレゼントは親がくれるものだと思ってた」
「へー、珍しいね」
その後も暫く、サンタについて雑談していた。因みに、少なくとも日本にはサンタクロースが実在する。これ豆知識。
手慰みにおれが新菜の綺麗な髪を撫でるというか弄り始め、テレビがチキンのCMを写した頃、ふと新菜が訊いてきた。
「ねえ清磁くん、クリスマス何食べたい?」
おれは即答した。
「新菜」
「えっ」
すると新菜は驚いておれの方を向き……すぐに視線を逸らして俯く。そして頬を紅潮させながら言った。
「えっと、それは……その……め、召し上がれ……」
この後滅茶苦茶セックスした。




