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近未来式?無人島開拓術!  作者: まなしし
0章 生存競争記録
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設定的なやつ。

西暦20XX年。


自然発電、核融合技術等を確立し、人類が化石燃料から新たなエネルギーへと進み始めた変革の時代。

失われた環境は急速に回復し始め、火星や月面移住も少しずつ可能になり、人口問題も解決の兆しが見え始めていた。


しかし、世界が次なる時代のために遂に手を取り合い、人々が可能性に胸を膨らませる中、その熟した果実を貪らんとするかのように奴らは現れた。


昼下がりのニューヨーク上空を突如埋め尽くしたのは銀に輝く空飛ぶ古城や帆船の集団。

物理法則を無視したその幻想的な光景に世界が好奇の視線を注ぐが、そこから降下してきたのは絶望だった。


金属質な2メートル近い体躯、鉤爪のように発達した手足、目と鼻がないのっぺりとした顔面に耳まで大きく裂けた口、そして頭部から蠢く無数の触手。

同じく金属質な飛行生物に跨がった奴らは、統率の取れた動きで蹂躙を開始した。

硬質な皮膚は銃弾を弾き飛ばし、逃げ惑う人々は鋭利な手足によって紙のように引き裂かれた。


その日、空中に浮かぶ奴らは対空ミサイルや砲撃を謎のエネルギーシールドで寄せ付けず、まずは小手調べと言わんばかりに100体ほど放出して撤退して行った。

地上勢力を全て制圧する頃には、輝かしい先端都市は見るも無残な廃都と成り果てた。


中には電撃や火炎を放つ個体も存在したため死体を解剖するも、全部が臓器の存在しない唯の金属塊だった。

金属を解析した結果、組成は銀。

しかし不思議な存在感を放っており、何故あんな強度だったのか、あの現象は何だったのかと研究者達は頭をひねった。


そして、これを受けて国連は世界に緊急事態宣言を発令。

未確認生命体をヒト型知的生命体【イヴィル】と呼称し、長きに渡る生存競争へと突入した。


何故そこまで長期化する事になったのか、後の歴史家の中で賛否が分かれる重要な出来事が、初邂逅から2週間後に起こった。


たまたま哨戒中のロシア空軍が、自国東部に出現したイヴィルを発見。

そこは無人地帯であったし、一網打尽に出来ると功を焦ったロシア軍が核ミサイルを撃ち込んだのだ。


しかし敵は先行部隊を地上に降ろし撤退するつもりだったらしく、人類の切り札は地上のイヴィルと帆船たった2隻を蒸発させるだけの結果に終わった。


それからイヴィルは、核を警戒して少数で各地を襲撃するようになった。


目的は地球人、つまり抵抗勢力の中枢部を探すことだろうが、忽然と姿を消しては現れるゲリラ戦法に各国は大いに苦戦した。


何故なら、奴らは姿を消すとあらゆる捕捉システムが通用しなかったのだ。

増え続ける犠牲による治安と国民感情の悪化、常に後手に回るしかないこの状況に各国の首脳陣は頭を抱えた。


しかし状況は、国連軍が敵帆船の鹵獲に成功する事で好転し始める。


NASA主体で解析した結果、船の心臓部に未知のエネルギーを集積する装置があり、紋様の様な特殊回路を用いてそれを運用している事が判明。

それは宇宙空間に偏在しており、地球上にも少量ながら存在するものだった。


何故今まで気付かなかったのかと紋様の検証や古代文献の面などからも調べると、この力は俗的に言う霊的、神秘的エネルギーに近く、無意識的に太古から魔術や陰陽術などに用いられていた事が更に判明し、人類に衝撃を与えた。

皮肉にも科学の発展により、長らく否定してきたその手の存在を認める形になってしまったのだ。

イヴィルの体も、このエネルギーによって硬質化していた。


奴らが地球上で長期活動しないのは核を警戒している事もあるが、地球上では十分なパフォーマンスを発揮出来ないからではないかと言う結論に至るのは難しくはなかった。


仕掛けが分かれば人類も黙ってはいない。

この高次元エネルギーを【フォトン】と命名。

侵略者への牙として、人類技術のさらなる高みを目指す力として研究開発が始動した。


これが前述した賛否の分かれる未来の枝葉の1つである。

ロシアが核を使ったお陰で戦いが長期化し、人類がフォトンを発見できたと喜ぶ者。

早期決着の機を逃した事により多くの血が流れたと嘆く者ーーーー


話は戻ってこのフォトン、鹵獲した機材と地球の科学技術を融合することにより簡単に個体や液体に変換し可視化する事が出来た。


そして驚くべきは、巨大な金属船を浮かばせたり、シールドの展開に用いられている時点で凄まじいエネルギーを秘めている事は分かっていたが、文字や紋様などの特殊な手段で命令を与えない限りは安定していると言う点である。


従来の燃料のように引火して大爆発、なんて事にはならず、爆発、と言う命令を特殊な文字や紋様で与えない限りは爆発しないのである。

更には範囲や持続時間などの条件付けも可能で、各国は目の色を変えてイヴィルの紋様や太古の資料を研究し、少しづつ大気中からフォトンを収集しながら日用品から軍事兵器に渡る様々な物に新技術を組み込んで行った。


それと同時に、もう宇宙での活動は宇宙飛行士だけでは対応出来ないと、これから現れるかもしれない他の未確認生物や別惑星での活動を見越し、宇宙で戦う特殊部隊の育成が秘密裏に各国で行われ、それぞれが独自の進化を遂げて行った。



そして現在。

1世紀に渡るイヴィルの侵略に耐え続けながら牙を研ぎ続け、人類は遂に反撃の時を迎える。


衰退するどころか日々進化する人類に危機感を覚えたイヴィル達は遂に目星を受けた主要都市に総攻撃を仕掛けるが時すでに遅し。

長年かけて用意したフォトン兵器はその頭に容易に風穴を開け、輝かしい銀の帆船を一瞬で消し炭にした。


慌てて姿を消して逃げる敵の本隊。

しかし月面基地で秘密裏に配備していたレーダーと連携した新型捕捉システムは移動する高密度フォトンの集合体を見逃さなかった。


場所は地球から1万キロ離れた宇宙空間。


因縁の相手と決着をつけるため、今日まで鍛え上げてきた世界中の精鋭達が今、宇宙へ上がる。


次からプロローグです。

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