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下忍が異世界で知った蜘蛛の魔者

権蔵の容姿に様々な意見がありましたが1話目で六尺の仁王様と書いています。


 エレオスと別れた権蔵がヴァルゴの里に戻るとプリムラとザンナはまだ言い争いを繰り広げていた。


「駄目!!ぜっーたい駄目!!ゴンちゃんにエルフ殺しなんてさせないからねっ」


「アルケニーを倒せる者はサジタリウスにもいないだろ?あれをエルフが倒すのは不可能に近いんだぞ」


「ギルドにお願いすれば良いじゃん!!ゴンちゃんはお客様なんだよっ」


「ギルドに依頼している間に被害が出たらどうするんだ?ゴンゾウが強い戦士なのは身体を見れば分かる」

ザンナの言い分に理があるのは誰が見ても明らかである。

プリムラもそれは分かるっているらしく若干涙目になっていた。


「プリムラ様、ゴンゾウ様の腕はリリーから聞いております。ゴンゾウ様ならアルケニーに遅れをとるとは思いませんが」

プリムラとザンナの間に入って来たのはヴァルゴの族長ピスティ。

ピスティとしてみれば自分の領地で戦闘部族のレオとサジタリウスの族長の娘が言い争う事はあまり好ましくない。


「それでも駄目ですっ!!ゴンちゃんは物じゃないんですよ。エルフの勝手で危険に晒すの認めません!!」

権蔵の身体の古傷はプリムラに充分過ぎる衝撃を与えていのだ。


「忙しい所すいませんがアルケニーがどんな魔者か教えてもらえますか?」

権蔵はプリムラの言動に感謝をしていた、自分みたいな外道の為に必死になってくれたのだから。


「ゴンちゃん何言ってるの!!アルケニーを倒せたとしても下手をしたら…」

プリムラは下手をしたらエルフをアルケニーに変えたアテナから神罰がくだる、その言葉でさえ神罰になりかねないから権蔵は素早くプリムラに耳打ちをする。


「エレオス殿からも依頼を受けました。何でもエレオス殿の主にあたる方が万事引き受けてくれるそうです」

「エレオス殿ってゴンちゃんをにガイア連れて来た人だよね?アテナ様を牽制出来るとしたら…」

プリムラはエレオスを思い出して、ある結論に行き着く。

確かにあの方が後ろ楯なら安心だ。

しかし、今度は違う不安がプリムラを襲う。

(何であのお方が違う世界からゴンちゃんを連れて来たの?来たゴンちゃんはガイアの事を何も知らない…決めたっ!!ゴンちゃんは僕が守る!!)

プリムラは決意を新たにする。

何しろ彼女の可愛い義弟は依頼の為となると自分の身体ばかりか命さえ厭わない。


「ゴンちゃんアルケニーには魔術が殆ど効ないし、蜘蛛の身体が頑丈だから弓だと傷つけられないんだよ。頭を狙っても蜘の足で防がれちゃうんだ」

プリムラが憂鬱な顔でアルケニーの説明を始める。


「直接攻撃しようとすれば蜘蛛の足に絡めとられて血を吸われてお終いだ。何しろ罰の為に醜い身体で生かされているのだから生命力も強い。しかし、アルケニーはエルフや人を襲うから放ってはおけない」

続いてザンナも補足をする。


「近づけないんなら罠に掛けれないんですか?」

獣によっては直接仕留めるよりも罠を仕掛けた方が効率的な時がある。


「アルケニーは自分がテリトリーにしている森に糸を張り巡らせてるんだよ。その糸で獲物や敵がテリトリーに入ったのを察知してるんだ」


「つまり森に鳴子が張り巡らせてる様な物なんですね…やれやれ、この世界に来てまで罠を掻い潜らなきゃいけないのか。それじゃアルケニーのいる所を教えてもらえますか?」

権蔵が日本にいた時に忍び込んできた場所には大抵鳴子等の忍び対策が施されていた。


「アルケニーはエアリースの森をテリトリーにしている。話を通しているから今日はエアリースで泊まればいい。案内は私の配下に…」「ゴンちゃん、荷物をまとめたらお姉ちゃんがエアリースに連れて行ってあげる。ピスティ様、アクエリアスに連絡をお願いします」

プリムラとしてはこれ以上ザンナと権蔵が関わるのを防ぎたかった。

気に食わない婚約者はザンナにあげても、平気であったが可愛く色々と放っておけない義弟を譲るつもりはないのだから。


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