表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
下忍の権蔵が異世界で手に入れたモノ  作者: くま太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/94

下忍が異世界の闇で動いた結果

 夕方から降り続いた雨は夜中にはどしゃ降りとなり月明かりさえも隠している。

そんやな闇夜の中、下忍は確かに人の気配を感じていた。

しかし雨音に消されているのか足音は聞こえないが


(泥道の走り方が分からないのかよ。足音を消していても泥が跳ねる音が丸聞こえだぜ…来たのは4人、足音が止まった1人は監視役だな)

下忍は、この世界に来る直前に同じ様な雨降りの中で仕事をこなしている。

そしてあの夜と同じく泥を跳ね上げない足音が侵入者達へと一歩ずつ近づいていった。


(監視役は木の下か。そんな所にいたら木が雨を弾く音が混じるのを知らないのかよ。体つきからすると男か)

権蔵は苦笑いを浮かべながら男と反対側の木の下に回り込み、男の口を分厚い手で塞ぎ喉を真一文字に切り裂く。

自分の死を自覚する暇もなかった男の遺体に冷たいどしゃ降りの雨が降り注いでいた。


(この雨だ…窓は閉まってるから侵入は裏口か…正面からだと、ちっとばかり厄介だな)


裏口から侵入するならただの暗殺で済むが、正面からの場合は押し込み強盗を偽装する確率が高い、それは自分達の姿を目にした人間を殺すと言う事だ。


(別に宿の人間や騎士様が殺されても俺には問題はねえが、姉さんの立場が悪くなるな)

少数でも死者が出ると、プリムラはエルフの国に厄介事を持ち込んだ形になる。

次の瞬間、下忍は闇を切り裂く一陣の風と化す。


(1人は宿屋の見張りにいる筈…ちっ、正面の扉が開きっぱなしだ)

宿屋は雨が降っているにも関わらず扉が開け放たれて薄明かりが洩れていた。


(まず1人)


権蔵は正面から飛び込むと同時に棒手裏剣を見張りに投げつけた。

相手が男か女かは確認しない。

ただ

「少しの間、大人しくしてろ。そうしりゃ雨降りの悪夢で終わらせてやる」

見張り役に人質にされていただろう少女に一別もくれずに言葉を投げ掛ける。


(リリー様達の部屋は一番奥。やっぱり馬鹿騎士どもは眠り薬で夢の中か)

騎士達の部屋からは侵入者の足音を掻き消す勢いでいびきの音が聞こえていた。

(確か、リリー達の部屋にいるのはリリー、スノウ、ソフィアの3人。すぐにリリーが殺される事はねえだろうが)


「くっ、寝込みを襲うとは卑怯だぞ」


「リリー様には指一本触れさせない」


聞こえてきたソフィアとスノウの言葉に権蔵は呆れる。

部屋の様子を確認すると見知らぬ人間が2人いる。

2人が手に持っているのは長剣、片や相対しているソフィア達は無手な上に寝間着であった。


「ソニア殿、寝ている時も警戒を怠らないのが護衛の努めです。スノウ殿主人の正体をばらしてどうするんですか」


「新手か…なんだ騎士ではないのか」

「やっぱりあんたか…村娘と入れ替わり騎士様達に眠り薬を飲ませて暗殺までするとは忙しい事で」

侵入者の1人は晩飯の時ににアソス達に酒をついでいた女だ。


「それが分かったから何だってんだい。そいつから片付けな!!」

女の声に反応した男は権蔵に向き直ると同時に倒れ込む。

その額には棒手裏剣が深々と突き刺さっていた。


「…あんた何をしたんだい?」


「自分の手の内を明かす程、馬鹿じゃないんでね。さてお仲間がお待ちかねですよ」

まるで伝言を伝える様な気楽さで権蔵が殺しを予告する。


「ねえ、アンタは顔は悪いけど腕をたつね。私と組まないかい?そうしたら私の体を好きにさせてやるよ」


女は妖艶な目つきで権蔵を見つめてきた。


「断りますよ。抱いたた女に寝首を掻かれるなんて洒落にもならない」

男と女は戯れ言を交わしながらも、相手の命を絶つ為に密かに己の得物に手を掛ける。


「まさか女が苦手なんて言うんじゃないよね」


「女は苦手だよ。…でもあんたは女じゃなく同業者だ」

女の長剣が煌めいた瞬間に権蔵も手を動かし棒手裏剣を投げつけた。


「さてと、男の遺体は俺が漁りますが女の方はソフィア殿にお願いしますよ。身元を明かす物は持ってないと思いますが一応ね」

権蔵は遺体を触るのは平気であったが、動かなくなった女の体を触るのには若干抵抗があった。


「分かりましだがこの方達の遺体はどうするのです?まさか放置する訳にはいかないでしょう」


「他の奴等の死体と一緒に森に捨ててきますよ。こんな奴等でも動物の餌にはなりますから」

動物の餌となれば殺しの証拠も見つからなくなるのだから。


「待て、遺体を捨てるのは朝にしてくれ。あの役立たず騎士がこれ以上お嬢様に近づくのを防ぎたい」

スノウはたかいびきが聞こえてくる隣の部屋を睨みつけながら苦々しく話す。


「残すのは1人で良いですね。どっちにしろ、もう直ぐ宿屋の娘が我に帰って大騒ぎになりますしね。この女はソフィア殿が倒した事にして下さい」リリーの怯えた姿を確認すると下忍は男を抱えたまま闇夜に姿を消した。


――――――――――


3人の遺体を森に投げ捨て帰って来た下忍を迎えたのは賞賛でもなく侮蔑でもなく恐れでもなかった。


「ゴーンちゃーん!!濡れた服のままお外に出掛けて風邪でもひいたらどうするの!!早く脱ぎなさい」


「姉さん、1人で脱げますって。ほらっ、リリー様達も見てますよっ」


プリムラの剣幕に子供の様に困惑する権蔵。

その姿はまるで雨降りに遊んで来た子供で、先ほどまで怯えていたリリーが微笑んでいた。

下忍を迎えたのは、周りを怯えさせない為の優しい配慮であった。


下忍は不思議な作品で感想は少ないけどリクエストは一番きます。

教職経験がある方や教育大学にかよっている方がいましたら知恵を貸して下さい

後、下忍はイ・コージと同じく大人の男性が読んでくれてる感じがします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ