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下忍が異世界で得た相棒

 アスブロ城メトレイオフロンの執務室。


「それでそのエルフの娘がティグリの屋敷にいたのね。法律に基づかない奴隷、しかも族長の娘、ティグリも馬鹿な男。大方アスブロとエルフ族を争わせる腹積もりだったんでしょうね。フィラ、ミナス出立の準備をしなさい」


「それにしてもゴンちゃんってあくどいよねー。僕を誘拐した男をわざと先に逃がしてタナトスって人の当て馬にしちゃうんだもん」


「俺は知らない奴と正面から当たる程、馬鹿じゃないんでね。それよりメイ様このエルフを風呂に入れてもらえませんか?」

今のプリムラはボロボロになった服を着て、髪も肌も薄汚れていた。


「ええ、彼女は大事な証人ですもの。プリムラは国賓としてもてなすわよ」

つまりティグリ子爵はアスブロの国賓を誘拐して奴隷にしようとした事になる。


「それで落ち着いたらプリムラを里に送れば良いんですか?」

族長の娘が何時までもいては、争いの火種になりかねない。


「あー僕はパスしたいな。僕をはめた従姉妹はそれなりの実力者の娘なんだよ、手紙を出して留学扱いにしてもらうのが一番なんだよね」

プリムラが警戒しているのは部族間の諍いであろう。


「ソイツにはめられたって確証があるのか?」


「あの娘さ、僕の持ってる物はなんでも欲しがるんだよ。今回は僕の婚約者を横取りしたくなったんだと思うよ。

正直リボンを付けてあげちゃいたい男だったから結果的にはラッキーなんだけどね」

重苦しい内容をプリムラはサラサラと話していく。


「そう、それならまずお風呂を準備するわね。ゴンゾ、エルフは美人が多いから楽しみなんじゃない?」


「ゴーンちゃん一緒に入る?お姉ちゃんが背中を流してあげまちゅよー」


「いらないつーの。俺は道具の手入れをしてくる」

今まで女に縁がなかった権蔵は、こんな風にからかわれると調子が狂う様であった。


―――――――――


 「ふー、さっぱりしたー。新しい服も貰えたし生き返ったよ。ゴンちゃん綺麗になった僕はどうかな?」



風呂から上がって来たプリシラは抜けるような白い肌に輝く様な銀色の髪を後ろで結わえている。

身長は権蔵より頭1つ低いぐらいで引き締まった身体、何よりエルフの特徴である整った顔立ちをしていた。


「俺は美人は苦手なんだよ。まっ、これ以上関わる事もないだろ」


「ゴンちゃんは右も左も分からない僕を放っとく冷たい子だったんだ。お姉ちゃん悲しいな…」

プリムラはわざとらしく目頭を押さえて泣く真似をしてみせる。


「残念ながら俺も遠くの世界から来たばっかりで、こっちの常識に疎いんだよ。それよりも誰がお姉ちゃんだって?」


「仕方ないなー、お姉ちゃんがゴンちゃんの面倒を見てあげるよ。遠くから来て1人ぼっちのゴンちゃんをお姉ちゃんは放っておけないよ」

さっきまで泣いていたプリムラが、今度は権蔵に力こぶしを作ってみせる。


「あのなー、俺は男でお前は女。一緒に住める訳がないだろ」


「ゴンちゃん、お前なんて汚い言葉は止しなさい。それと私の事はプリムラさんかお姉ちゃんって呼ぶ事、良いわね」


「問題をすり替えるんじゃねえよ。一緒に住むのが問題だって言ってんだよ」


「つまりゴンちゃんは一緒に住むのは反対じゃないんだね。それじゃこれからよろしく」


これが権蔵と彼の表裏に渡る相棒となるプリムラが組んだ瞬間であった。



―――――――――


 ティグリ子爵やタナトスに顔を覚えられたくない権蔵は一度アーテナイに戻る事にした。

メイからの仕事依頼が長期になりそうなのでギルドへの挨拶と家に置いてある忍具を取りに戻る必要があったからだ。


「すまんな、ちょっとアスブロで長期の仕事が入ってしばらく留守にする」


「ギルドは1つの組織だから構わねえよ。それより神殿で1度顔を出して欲しいそうだ」


そして神殿で待っていたのは神官のミナス・フィラフィトであった。


「ゴンゾーさん、僕はアスブロの神殿に仕える事になりました。だからアスブロまで護衛をお願いします。そしてっアスブロでは僕とパーティーを組んで下さい!!僕がゴンゾーさんを真人間に導いてみせます」


ビシッと指を指してくるミナを見て、エレオスに女難を与えられたんじゃないかと疑いたくなる権蔵であった

強力なキャラになりました。

イメージ的にはバレー部にいそうな感じです

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