フライングバースディ
思いつきで書きました、
誤字脱字等々あるかもしれませんが、
よろしくおねがいします。
そろそろ誕生日を祝ってもらうのも微妙な年頃だよなあ、なんて思いながらも
来たら来たで嬉しいもので。
でもちょっと今回は、どうしたらいいものかと。
「どうしたらいいものか…」
私を悩ませるもの、それは俗にいう『誕生日おめでとうメール』。
四捨五入で30になると、手放しで喜びはできないものだけれど
こないとこないでさみしいし。
(その辺が難しい女心、わかってもらえるだろうか)
なんでそれで悩んでいるかって?
私の誕生日は明日。だけどこのメールはすでに朝起きた時点でケータイにいらっしゃった。
あの人専用のメールイルミネーションをつけて。
あの人…勇一郎さんは、つい最近付き合い始めた恋人だ。
『誕生日おめでとう、これからの人生、良い事がありますように』
高校時代の1つ上の先輩で、ちょっとした縁があって付き合いを始めた。
あの時からしっかりとしていて、そして頼りがいのある人で。
確か、勇一郎さんに交際についての返事をした後、まず
「誕生日を教えて」と聞かれた事を覚えている。
……もしかして、私が間違えて教えてしまったのだろうか。
ありうる。昔憧れた人に返事を返すことに一生懸命過ぎて勇一郎さんから
「大丈夫、落ち着いてゆっくりでいいから」と微笑まれるなんてしょっちゅうだし。
きちんと、お礼のメールはしよう。
それからしばらくしてから、それとなく訂正をしておけば大丈夫。
そう思って仕事に出かけた。
しっかりとやるべきことをやって、帰宅。
『誕生日お祝いのメールありがとうございます、嬉しかったです』
散々悩んで、結局最初考えたいたって普通のメール内容で送信する。
連休明けだから多分仕事がたまっているんだろう、
それなりの社会人歴があるから『会いたい』『一緒に過ごしたい』という
私のわがままはそのまま送れなかった。
電話することも考えたけど、まだ仕事中かもしれないと考えると
どうしても通話ボタンは押せなかった。
今はメールがあるから便利だよなあ…なんて思いながら
疲れを落とす為に湯船にお湯を張って浸かっているうちに
ケータイのイルミネーションがあの人の色に光っていた。
『メール見てくれたんだ、ありがとう』
そんな題名で始まるメールをゆっくりとスクロールしてみる。
『本当の誕生日は明日なのは覚えているからね、
少しでも早くおめでとうを伝えたかっただけだから。
それこそ、他の誰よりも早く』
思わず噴き出してしまう。
しっかりとしている部分しか見たことが無かったけど
まだまだ知らないところがありそうだ。
意外とやきもち焼きなのかなあ…なんて思いつつ返信する。
『大丈夫です』
『さすがに勇一郎さんが一番乗りでしたよ
私も早く勇一郎さんと同じ年齢を一緒に楽しみたいです
夜のデートでもかまいませんよ?もう大人ですから』
ちょっとしたいたずら心も一緒に織り込んで。